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鈴木: |
大崎漆器店は「塗師屋大崎庄右ェ門(www.osakisyoemon.jp)」を名乗られていますが、まずは塗師屋(ヌシヤ)という仕事から教えて下さい。
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大崎: |
その前に輪島塗の説明も簡単にしましょう(笑い)。漆塗りの工程は大きく「下地」と「上塗り」に分かれますが、輪島塗の特徴は地の粉の下地塗にあります。ここで輪島の珪藻土を混ぜて塗ることで、漆がガラスのように硬くなり、漆器が堅牢になります。お椀は毎日使いますから、いかに頑丈にするかということが非常に重要です。
塗師屋の仕事とはそうした輪島塗に関する総合プロデューサーのようなものです。木地屋・下地屋・蒔絵師などの職人さんと分業体制を組み、漆器の製造・販売をします。初代庄右ェ門は江戸末期の人物で、2代目から塗師屋を始めました。私で4代目になります。
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西田: |
小売りもやっていらっしゃるのですか。
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大崎: |
小売りと卸売りを分けて考えることはあまりありませんが、両方とも行っています。昔は塗師屋の家によって行商エリアの棲み分けがあって、当店は北海道、関東などでも行商をしていました。今でこそ電話でオーダーを受けていますが、依頼があればどこへでも行きますよ。
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鈴木: |
かつては北前廻船ルートが流通の大動脈でしたから、各地と交流があったんでしょうね。
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大崎: |
塗師屋はそれぞれの地域で客人として持てなされていました。大阪や京都などの情報を伝達する役目もあったようです。商いをする上でも、各地の有力者に文化人的な素養を求められたと伝えられています。
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鈴木: |
どのような人たちが輪島塗を注文されていたのでしょうか。
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大崎: |
多くの料亭や旅館などで愛好していただいてきましたが、最近では減っています。一般的な輪島塗の販売路としてはデパートが増えています。
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