ライフスタイル考現行


生きている限り潰れない本屋−ひなた文庫(南阿蘇鉄道・南阿蘇水の生まれる里白水高原駅)

中尾友治さん
大学時代に知り合った奥様と共に、南阿蘇鉄道の南阿蘇水の生まれる里白水高原駅で古本屋を営む。営業日は金曜・土曜のみで、生計は家業のたこ焼き屋で立てている。



1.学生時代のアイデアコンペ
2.ひなた文庫の開店
3.駅舎の中の古本屋
4.本との出会いの作り方
5.古本屋の主として過ごす時間



1.学生時代のアイデアコンペ
松村:  中尾さんは、南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里白水高原」駅で「ひなた文庫」という古本屋を営んでいます。駅舎で古本屋を開いたきっかけなどからお話し下さい。
中尾:  本を深く考えるきっかけは、広島市立大学で学んでいた学生時代に溯ります。「本の未来について考える」というアイデアコンペがありまして、本好きの妻から応募に誘われました。このコンペの対象が理系学生だったので、文系だった彼女は、寮仲間で脳科学を学んでいた僕に声をかけてきたわけです。
松村:  そのコンペではどういう提案をしたのですか?
中尾:  当時は夢の映像化が可能と言われ始めた時期でした。それなら、本のイメージの映像化も可能になるんじゃないかという提案をまとめました。最終的には実現性に乏しいと判断されて最優秀は逃しましたが、最終選考には残りました。このコンペを通して本にかける彼女の熱意を知り、そうした彼女を応援したいと思うようにもなりました。大学卒業後、僕は大学院へと進学しました。一方、妻は東京の出版会社に1年間ほど勤めましたが、あいにく父親の看病が必要になって地元の岡山に戻り、一区切りついた後は広島の丸善ジュンク堂書店に勤めました。大学院修了後に結婚しまして、僕の地元の南阿蘇で暮らすことになりました。




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