令和3年度の高齢者住宅政策、
 並びに民間事業者に期待する役割について

(3) 介護場所等の希望

fig2  図2は、単身世帯の高齢者の方がどういった場所で介護を希望するかのアンケート結果です。
 要介護度が低い方の2/3は自宅に住んだままケアを受けたいとする一方で、要介護度が上がるにつれて高齢者住まいや特養のような施設に入りたいという方が増えていきますので、要介護状況によってその方が過ごしたいという場所が異なってくると思います。
fig1  一方で図3のように、最期をどこで迎えたいかというアンケートでは、自宅で迎えたいという方が5割以上を占めています。今まで実際に亡くなっている場所は圧倒的に病院が多く、国民の声に応えられていない現状です。
 厚労省では、人生の終わりをどう迎えたいか、出来るだけ早い段階でご家族や医療従事者の方と相談するというアドバンス・ケア・プラニングを、「人生会議」という愛称で進めています。この中で自分が末期の悪性腫瘍と分かった段階で、どこで最期を迎えたいかのアンケートを取りましたが、一般の方で約5割の方は自宅、お医者さんは6割以上の方が自宅で迎えたいと答えています。
 最期はできる限り自宅がいいという方や、サ高住や特養など施設が併設されている環境がいい方も、それぞれに選択に応じて、最期に向けた生活を送ることのできる状況を整備していくことが我々に求められていると思います。