講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』



2.ホームセンターが提供するサービス
鈴木:  先程、収納や飾りものを購入される女性客のお話がありました。そうした商品では本格的な加工は必要ないと思うのですが、女性客でも道具を使って本格的な作業を伴うDIYをなさる方はおられますか。
高山:  おられますが、日本の住宅事情ではまだまだ少ないかと思います。なぜかというと、電動工具を使えばそれほど技術がなくても作業が早いのですが、電動工具からはモーター音などの騒音が発生します。欧米では、駐車場を作業場として利用しているという話をよく聞きますが、日本のそうしたスペースは、少ないですし、屋根だけが掛かっている場合も多いので音が周辺に伝わってしまいます。
松村:  お店の方で加工場を貸すことはないのですか。
高山:  私共の場合は提供しております。ただし、使用できる道具は手動工具のみでして、電動工具は危険が伴いますので使用できません。ベテランの方であればそうそう事故は起こらないと思いますが、お客様の腕を私共が判断するのも僭越ですので一律にお断りしています。その代わり、比較的低料金で材料カットのサービスは提供しております。

また、土日祭日には、実演や相談コーナーを設けておりまして、チラシに約一ヶ月分の予定を載せて告知をしています。
鈴木:  人気のある実演はどういった内容になりますか。
高山:  網戸や障子紙の張替えなど、身近なものが多いですね。昔はこれらの張替えを家の者がやっておりましたが、今では張り方を知らない人が増える傾向にあるようです。核家族化が進んだせいで、作業の仕方が親から子へ引き継がれなくなったからでしょう。
松村:  かつては家庭内でごく自然な日常行為として行われていたことが、一旦外部化して、最近ではそれが趣味と実益を兼ねたようなことに変わってきたということですかね。
鈴木:  お客様からDIYを手伝ってくれという要望はありますか。
高山:  それについては、作業内容によって提携している業者とタイアップしてご要望に応えています。


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