講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


2. 神水公衆浴場の開業
鈴木:  もともと一戸建ての家を建てようと思っていたんですか。
黒岩:  そのつもりはなかったですね。震災の2年ほど前には、マンションを大々的にリノベーションしたばかりでした。ですから土地探しから始めたんですよ。神水に住み続けたいと思って探したところ、全壊したオフィスビルの跡地が売りに出ていました。ちなみに銭湯には水が必要です。この辺りは2〜3mも掘ると阿蘇山の火砕流堆積物が出てきて、こうした地層が深さ100mほど続きます。でもその下には、阿蘇山からやって来た地下水が流れている可能性が高いので、水の心配はあまりしていませんでした。
鈴木:  そうは言っても銭湯です。単に大きなお風呂を作るのとは全く話が違ってきませんか?
黒岩:  銭湯としては小規模なんです。実際、住んでみても少し大きなお風呂があるという感覚です。もちろん手続きは結構大変でした。保健所に申請する時に初めて知りましたが、銭湯は一般公衆浴場とその他の公衆浴場(健康ランドなど)に分かれています。一般公衆浴場を開設する場合、2km以内の町内会の了解が必要なんです。具体的な意見なら対応を検討できますが、中には「何かあったらどうするんだ」といった曖昧な言い方をされる方もいるわけです。もっとも銭湯ができたら、その方も入りに来られましたけど(笑い)。




前ページへ  1  2  3  4  5  6  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP