講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


3.萩荘からHAGISOへ
宮崎:  ハギエンナーレ2012には、宗林寺のご住職と奥さんも参加して下さいました。「こんなにたくさんの人が来てくれてくれる建物を駐車場にしてしまうのは、もったいないかもしれない」と言ってくれたので、リノベーション事業計画書を急遽作成することにしました。新築で賃貸アパートを建てた場合、駐車場にした場合、リノベーションして賃貸する場合という三つの計画を検討したところ、僕の計算ではリノベーションの利回りが圧倒的に高くなりました。もっとも、いくらリノベーションがお得だと言っても、誰が借りるのという話になります。そこで、僕が一括で借り上げて初期投資の1/3も出資すると提案しまして、相場より安い家賃を設定するが大家さんの投資は5年間で回収できると説明しました。
松村:  いつの間にそんな事業企画ができるようになったのですか。それまでは上海で劇場づくりに携わっていたわけですよね。
宮崎:  一生懸命勉強しました(笑い)。参考にしたのは広瀬郁さんの「建築プロデュース学入門」です。その時点では宿泊事業はなかったので、2階に計画した美容院のサブリースと1階のカフェ経営が主な事業内容です。その計画書を銀行に持っていったところ、ハギエンナーレで1500人を集めたことが一つのエビデンスになって融資して頂けました。





前ページへ  1  2  3  4  5  6  7  8  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP