講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


6.新しい本屋の先駆者たち
松村:  北九州市で行われているリノベーションスクールという活動で、新卒のスタッフを雇ったんです。九州大学の出身ですが、補助金で雇うので2年契約と決まっていた。あるビルをそのスクールの活動でリノベーションしたら、その人が小さな本屋を始め出したんです。不思議なことに、本屋の開業を思いつく時代なんですかね。
根木:  ネットの影響が大きいんですよ。北尾トロさんじゃないですかね、最初にネットで古本屋を始めたのは。その後、個人的にホームページを作って、ネットだけの本屋や週末だけの本屋を始める人が増えていきました。古本だけでなく新刊本を扱うネット書店もすぐ現れましたね。
実は通常の新刊書店を開業するのは容易じゃないんです。取次との取引口座を作らないといけなくて、10年前は1億円くらいの口座じゃないと契約できなかった。店舗も100坪くらいの広さが求められましたしね。
鈴木:  根木さんの場合、451ブックスを始める時に誰か参考にされましたか?
根木:  UTRECHT(ユトレヒト)」や「COWBOOKS」という本屋に影響されました。最初のホームページはユトレヒトを参考にして自分なりに作っていました。
松村:  本屋の世界的な傾向とかあるんですか?アメリカだと、元倉庫だった場所がブックカフェにリノベーションされて、活性化のシンボルになっていたりします。
根木:  日本の再販制度は特殊なので、似ているのは韓国や台湾になりますね。ブックカフェは回転率が悪いので経営が難しいんです。しかも、本棚に場所を取られて席数も確保できないですしね。
本屋という商売の根本的な問題は、本という商材の利益率が低いことです。雑貨なら40%くらいですが本は25%しかない。だから、生き残り策として文房具をたくさん置くわけですけど、そういう本屋はかっこ悪いですよ。



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