講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


10.コロニーガーデンの利用類型4“本格住居”タイプ

デンマークのコロニーガーデンは一時人気が低迷したこともありましたが、10年程前から再び注目され始め、現在では都市部の住宅価格の高騰を反映して、コペンハーゲン市内のコロニーガーデンを利用するにはウェイティングリストに登録して長い間待つか、ウェイティングリストのないガーデン協会でちょうど空いた区画を見付けなければなりません。コペンハーゲン市郊外にも1960年代から大型のコロニーガーデンが作られるようになり、400m2前後の広い区画に一通りの住居設備が調った小さな「家」に住み、夏の間はほとんどアパートに戻らないといった利用をする人もいます。このように、夏の間ほぼ本格的な住居として使われるコロニーガーデンは郊外に限らず市内にも見られますが、ブロンビュー・ヘーヴェビュー3地区(Brondby Haveby Afd3)はコペンハーゲン市近郊のブロンビュー市に1964年に設立された、ユニークな配置形式を持つコロニーガーデンです(fig.11)。


<fig.17>

私が見せてもらった区画は455m2の敷地に55m2の小屋が建っており(fig.18 1:小屋, 2:屋根付きテラス, 3:前室, 4:リビング, 5:寝室, 6:キッチン, 7:バスルーム, 8:温室, 9:鳥小屋, 10:池, 11:家庭菜園)、40代の女性が1人で使っていました。


<fig.18>

彼女もまた6年前にガーデンハウスを買ってから、自分で少しずつ内装を変えてきました。彼女がここを買う直前に下水が設置され、現在では水洗トイレとシャワー、電気、ガス、水とお湯を家の中で使うことができます。(fig.19-22)






<fig.19-22>



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