講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


6.ファミリーレストランからリビングへ?

中田 以前は会社が持っていた一軒家に住んでいたんです。誰も住んでいなかったので。時々は町内会の草刈に行ったりとかしましたが、基本的には近所付き合いがないから気楽な生活でした。
鈴木 そうした住宅にいるときと比べて、自分の生活が一番変わったなと思われる部分はどこになりますか。ライフスタイルと考えてしまうと答えづらいでしょうから、お酒の飲み方とか、趣味などについてでも結構ですから。
中田 友達が週末に来るんですよね。でも、週末になるとこの辺のお店が閉まっていて…、だからピザを取ることが多くなりましたね。
鈴木 大勢の友達が来る。うらやましがられるんじゃないですか。
中田 つり好きの人とか、海好きの人は特にそうですね。でも、すぐにメンテナンスが大変やろうという話になります。
鈴木 ここに来る前に松村さんから聞いたのですが、学生の時はファミリーレストランによく行って本を読んだりしていたそうですが、そういうスタイルは変わったんですか。
松村 学生の頃、全然学校に来ない。久しぶりに来たので聞いてみると、ずっとファミレスで勉強してましたって言う。何の証拠もないけど(一同爆笑)。
中田 いや、ホンマに勉強してたんですって。家やとなんかだめだったんです。寝て、起きて、そのままそこで勉強するのは。だから、さあやるぞっていう気持ちになるために気分転換がてらにどっかに出掛けたんです。でも、この家で生活するようになってファミリーレストランとかに本を読みに行くのは減りましたね。この机が大きいでしょ。今はココでもやります。
鈴木 家の中でうまく気持ちの切り替えができるということですかね。
中田 そうかもしれません。階毎にやることがはっきりしていますから。



7.ライフスタイルは変わらない?

中田 逆にみなさんにお聞きしたいんですけど、住吉の長屋とか塔の家とか著名な住宅がありますよね。厳しい生活を強いるようなラディカルさで有名ですが、そこに住んでいる人のライフスタイルってそんなに変わっていないんじゃないですかねぇ。この家はそこまでラディカルじゃありませんけど、僕も同じようなもんだと思うんですよ。もちろん変わった部分あるんでしょうけど、そんなに自分では意識していない程度の変わり具合といいますか。

例えば、たくさんの人が都会に住んでいますが新幹線で行けばちょっと行けば自然残っているところに行けますよね。実際、都会から出て行って山の中に家を立てている人もいます。そういう人が劇的に体調が良くなったとか、生活観が変わったとかあるんかなって思うんですけど。まあ、僕はココに来てからは住まい方がなんとなくかっこよくなった気はしますけど。
西田 それこそ、環境移行っていう問題で言いますと、がらっと変わると良くない気がしますね。今まで病気がちだったのが、健康になったとか良い方に変われば良いですけど。
中田 家が変わってもライフスタイルが変わらないとすると、家族がいたら変わるんですかね。
松村 まず、近所づきあいが変わるでしょ。子供がいると色々とクラブ活動とかがあるから、子供の成長に伴って変わっていく。
中田 子供が変わるから変わると。すると、一人だったらやっぱり変わらないですね。
松村 立地によっては変わるでしょ。家というよりね。もしこれがミナミのど真ん中に建っていたら、また違った感想になるんじゃないかな。



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