今回の調査では、非常にオーソドックスな手法でしたが、都心居住者を中心に都心と関わりのある人々のライフスタイルをできるだけ簡単に視覚化してみました。被験者の年齢が比較的若く、かつ未婚の女性が多いことにデータの偏りがあると言えますが、逆にこのことが比較しやすくしていると言えるでしょう。また、今回の調査対象地である南船場や堀江という地区に若い女性をターゲットにした飲食店やお店が多いことからも調査を行う意味があったと思います。さて、この様に少ないデータから結論を急ぐ必要はないのですが、分析中に感じたことをまとめてみます。
1.
仕事と生活が地理的・肉体的・精神的に連続していて切れていないということに意味がある。
2.
都心居住では,住まいと職場の距離が近いことがポイント(SOHOでなくてよい)。
3.
利用者というより,居住者や街のオーナーの仕事と生活との連続性が都心を支えているといえる。
4.
日本人は結局仕事が好きで,スローライフなんてきっとできないだろう。
5.
都心で面白いのは住居でなく仕事場,仕事場が居間代わりに使われている。
今回の調査では、都心居住者が自分の住むまち(南船場・堀江・その周辺)を使いこなしていることが明らかになりました。都心に通っている人たちもまた「まち」を使いこなしてはいますが、基本的にそれは通っている間に限られる様です。休みの日は自宅周辺で過ごしています。結局、私たちは自分が住んでいるまちを中心に使いこなしていると言える様に思います。ですから、職場と自宅が近接している都心居住者は、都心の使いこなし方に住んでいることと働いていることとが結びつき新たな意味が生まれていると言えます。今回の例では、都心に人が住むことの意味は、単なる利便性以上の価値を持っており、都市の持続性や更新のベース(基本)になっていることを示しています。ライフスタイルは一般に個人の問題とも言えますが、今回の例を見てもまちと個人の生活につながりがあれば、社会性をもっていると言えるでしょう。
最後になりましたが、調査に協力してくださった6名の被験者に対して心から感謝の意を表したいと思います。
各被験者毎の行動:
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