この「まちなみ住宅」100選は、住宅月間中央イベントの1事業として本年度から始まった。 応募総数は271件に及び、初年度としては順調なスタートであったと思われる。応募された方も居住者、町役場、設計事務所、工務店、エクステリア会社、ハウスメーカー、建設会社など多岐に渡っており、広い分野でのまちなみへの関心の高さが窺われ、これからの可能性が感じられた。
 応募件数の中、145件が一戸の建替えや新築の事例であり、応募要領の副題にも示されている“一戸の住宅から始まる美しいまちなみへ”の狙いを、応募者がよく理解していたことがわかる。日頃から一戸の新築や建替えにおいて、まちなみについて考えている方々が多く居られることに、意を強くした。
 全国的な伝統的まちなみ再生の活動の盛り上がりの中で、今回は、伝統を意識したデザインの住宅や、応募数は少なかったがリフォーム、リノベーション系のものに優れた事例が多く、もっぱらそうした作品が上位に選ばれる傾向にあった。全体として現代的な新しいデザインの住宅の応募が少なかったのは残念な結果であり、今後、都市的センスを発揮した現代的な小住宅などの応募も増えることを期待したい。
 表彰対象となった大規模な敷地の作品や伝統建築系の作品は、多くの既成市街地にそのままの応用は利かないかもしれないが、そのまちなみの文脈の見方、デザイン完成度の高さ、まちなみ配慮の工夫等の設計手法については、他の町や、狭い敷地でも役立つ点が多いと思われ、評価の対象となった。
 プレゼンテーションの技術について、応募作品間で大きな差が感じられた。特にまちなみへの配慮点の説明と、その部分を示す良い写真が組み合わされると、非常に見やすく説得性のあるものとなっている。応募作品の中には、せっかくの優れた設計や施工も十分にそのよさが伝えられず、もったいなく思われるものも多かった。来年度の奮起を期待したい。
 応募者の分布を見ると、居住者やリフォーム業者の応募数が、まだまだ少ない。まちなみは生活の中から育てていくものであり、これらの人々の参加も今後より多くなることを望みたい。
住宅月間中央イベント「まちなみ住宅」100選審査委員会
委員長  陣内 秀信
作品展示をご希望の方へ
 11月以降、イベント等で本入賞作品展示のため作品貸し出しをご希望の公共団体、NPO 等の方がおられましたら、相談にのりますので、ご一報ください。
住宅月間中央イベント「まちなみ住宅」100選 事務局
03-3592-6441
国土交通大臣賞※1
応募者名:株式会社自由工房静岡事務所
     石田 正年
 作品名:蒲原の家
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講評
 この住宅は築80年を経た3世代の住む旧東海道に面した町屋づくりを修復・再構成したものである。周辺には古い町屋がいくらか残っているが、新しく建替えられたものも多く、古くからのまちなみは大きく変わっている。車交通に対応させるために、古い家を曳き家することによって前面にスペ−スをとり、元々の道路との関係を変えているが、塀と足元の植栽により隣家との連続性を保ちながら、潤いある空間を新たに生んでいる。
 住宅は中庭を囲った構成を維持しながら、風や光など居住環境を向上させ、屋根、外壁、開口部は、瓦や押し縁の下見板や塗り壁、格子戸など今までの手法や素材により巧みにリノベ−ションしている。重心の低いプロポ―ション、質感のある古くからの素材、環境への配慮など、隣家と並び古くて新しいまちなみをつくっている。
 改築にあたって3世代の住み手とつくり手の高い共通意識と良好な関係も見逃すことが出来ない。祖父母、父母 子夫婦と代々受け継がれた住まいの知恵や工夫が作り手により上手に引き出されていることが、外観からも見受けられる。
 多くのジャンルの中から大臣賞の候補に挙がった作品には、同様に地域や歴史の文脈を汲み取って改築している一戸建ての事例が幾つかあり、その中で特に秀逸なこの作品を審査委員全員で推した。
 我が国のまちなみが魅力に乏しい原因には、住宅の建替えの異常な速さや多様な価値観がある。この作品は、地域や歴史に根ざした良いものを時間をかけて修復を重ね受け継いでいくところに魅力あるまちなみ形成が生まれることを示唆している。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
(社)日本建築士会連合会 会長賞※2
応募者名:尚 建築設計アトリエ 久保山 博幸
 作品名:外土間・内土間のある家
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講評
 農村風景には人間の営みが濃縮されており、どこの国で見ていても飽きないものだが、現代日本の農村の風景はどうもいただけない。工業製品が我が物顔に風景を痛めつけ、敷地が広い分、企画的な住宅が野放図に建っている。その中にあって、本作品は、敷地に妻を並べる二棟の一つから中門のような吹き放ちの庇を道に向かって突き出すことで、農村ならではの穏やかな外部との仕切方を実現している。その有り様は、一昔前の農村のバス停を思い起こさせる。地域の人々の交流が目に浮かぶ。思えば、戦後ずっと農村建築というジャンルが学会にもあったのが、今日では、建築界の関心から大きく外れてしまっている。この現状に対して本作品は鋭い問題提起しているとも感じた。農村風景が良くならなければ都市風景も良くならないということをもう一度考えてみたいものである。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
(社)日本建築士事務所協会連合会 会長賞※2
応募者名:竹林 幸信
 作品名:ほろ酔いギャラリー酩酊館
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講評
 町家は近世日本の市民文化が到達した極地の一つであり、人 の都市文化を表現している。ことに飛騨の民家は江戸の民家の様に鈍重ではないし、京都の民家より骨太で優れた造形性を誇っている。町並みを意識すると、建築家としては気後れして、単なる模倣に陥ってってしまいがちである。この建物は一見あたかも昔からここにあったよう見える。しかし、実は二階がオーバーハングする構成やソリッドな土蔵の壁と軽やかな格子の組み合わせなどは建築家の完全な創造であり、しかも造形的完成度は高い。聞けば、一階は民間ギャラリーでありながら無料開放して地域の文化センターになっているという。施主の姿勢に建築家はよく応え、同時に古川の町並みの価値を高めている。このような事例がひろまるとき、初めて建築は街の発展に貢献することができる。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
(財)ベターリビング 理事長賞※2
応募者名:弓良 一雄
 作品名:世田谷区営玉川三丁目アパート
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講評
 緑少ない市街地で、緑化ワイヤ−,緑化フレ−ム、パ−ゴラ、など様々な手法により、谷川緑道との連続性のなか立体的な緑を都市に提供している。花や実のなる季節感のあるつる性植物を植え、単に視覚的なまちなみだけでなく、人とまちと自然との共生をテ−マにしている。
 壁面や屋上の緑化のみならず、広場から保育所へ続くアプローチも、緑化のためのパーゴラやフレームにより、緑のトンネルが出来そうで、子供らの楽しい毎日も想像される。
 屋上にも屋上緑化スペース、雨水貯留槽を設け環境共生が考えられており、今後その効果の把握もされれば、より広く世の中に環境共生の活動が繋がっていく事を期待させる。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター 理事長賞※2
応募者名:柿岡 瑠美
 作品名:向島の家
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講評
 築25年の住宅を購入改築し、新たな生命を建物に与えた好例である。
 前面道路側を外部に開放し、緑を立体に配置、狭小住宅にありがちなゴチャゴチャした雰囲気を取り除き、周辺の街にも心地よさを醸し出している。二階のバルコニーの腰壁と外壁とを一体的に塗り壁で面としてすっきりまとめ、洗濯物などは見えないようにしている。木製パーゴラ、すだれなどデザインの雰囲気を統一している。小鳥の餌台、バケツの置き方などに心遣いが感じられる。生活感や人柄を感じさせる景観は、暖かみがあって魅力的なものである。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
住宅月間中央イベント実行委員会 委員長賞※2   5件
応募者名:小長谷 晃・コーア設計事務所
 作品名:穏日居
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講評
 土地の有効利用が先行する時代、今ではめずらしくなった平屋の和風住宅である。前面道路側に塀をつくらず、築山をつくり、ゆるやかな曲線の形態と軒の出の深い屋根面の美しさとが一体となって、周辺のまちなみに落ちついた雰囲気をつくり出している。
 近隣とのつきあいにも気軽に使える濡れ縁などのあしらいは、日本古来の家づくりの知恵が再現されている。
 小さな畑の作物や築山に植えられる植物などを話題に、お茶飲みの語らいの場面が生まれれば、人と人とのつながりの暖かさが、周辺のまちなみのあリ方として一層の広がりとなることであろう。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
応募者名:神家昭雄建築研究室
 作品名:室津の家
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講評
 兵庫県御津町室津の古いまちなみを生かしながら、周囲や道路空間と一体となった設計となっている。カーブを描きながら、まるで語りかけているようで心なごんでくる。
 明治のまちなみをつないで豊かな記憶の町を新たにつくり出していくきっかけを与えるという点でも意義が大きい。意匠面では、敷地に合わせ巧みに折れ曲がった瓦屋根、低く抑えた軒や2階の腰掛け縁、格子戸など室津独特の手法を継承し、ディテールに現代風味付けもなされ、丁寧な仕事が伝わってくる。玄関先には木製のベンチが設けてあり、目印の手作り提灯や季節にあった飾付けがあり、建物の景観だけでなく、道行く人とのつながりを見せている。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
応募者名:清水 昌夫
 作品名:宮崎台桜坂
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講評
 既存樹木を残して、それを活かすような設計によりまちなみを形成している点が評価された。現在の多くの住宅地開発においては、住宅や敷地の配置計画を優先させて、それに合わない樹木は安易に伐採されてしまう傾向が強い。しかし、本応募作品の場合には既存樹木を優先させ、むしろ住宅をそれに合わせて配置した結果、成長した樹木がまちの骨格となり、豊かな緑の持つ地区の雰囲気を維持できている。
 このような設計を行えば、建物が陳腐化し、また建て替えられたとしても、まちなみをそのまま保持できる利点がある。さらに、その樹木を活かした設計により、緑陰を効果的に配置でき、自然に環境にも配慮したものとなっている。そのような努力を具現化した点が高く評価された。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
応募者名:有限会社ブルーム・アンド・ブルーム
 作品名:浅野 朗 邸
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講評
 斜面地に住宅を建てる時、現状の樹木を伐採し擁壁により平坦な宅地を造るのが一般的であるが、この事例は森のような木々が鬱蒼と茂った土地を切り開くにあたり、既存の中高木やそこに自生する植物を出来るだけ残し、緑の中に建物が溶け込むようにつくられている。アプローチやカーポート、土留めなどは、枕木や植栽により目立たなく巧みに処理されており見る者に潤いを与え、これらが周囲の緑や花とつながることにより、心地良いまちなみが形成されている。既存の緑を残こすことは、環境や景観を維持するだけでなく、植物を介してコミュニティーが醸成されることも期待できる。建物を中心にまちなみをつくる例の多い中、外構や植栽が主役の秀逸な事例である。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
応募者名:筧 清澄
 作品名:千本格子の塀
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講評
 空襲で多くを失った名古屋の町で、佇まいを残している中村の貴重な場所である。取り壊された町屋の千本格子が甦り、路地をとてもしっくりとした空間にしている。
 路地を通りぬけるとき、不思議ななつかしい気分を体験できる。格子を通して見え隠れする家屋にも表情を与えている。古いまちなみを全て残すのは難しい。人々の記憶に残る部分だけでも再生することで、まちなみの一部がよみがえる。
 千本格子戸の塀は意匠性に優れ、閉鎖的でもなく、一定の遮蔽性もあり、住宅の塀としての転用に適している。住宅に統一性が無くまちなみを損ねている例は多い。この手法のように魅力的な塀だけでもつながり統一され、まちなみが改善されることを期待したい。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
優秀賞※3   8件
応募者名:松島 健
 作品名:早川邸
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寸評
隣家の土塀との繋がりを意識した塀の造りや、武家屋敷を参考にした庇・門などの表情に、歴史軸と現代軸を考慮した金沢のまちなみへの配慮がうかがえる。
応募者名:八尾町地域住宅相談所 所長 羽間 一晃
 作品名:島崎誠一邸
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寸評
伝統的な工法を継承し、個性ある八尾の「まちなみ」を演出。カーポートも良くデザインされ、建物左に配されている。
応募者名:マニエラ建築設計事務所 大江 一夫
 作品名:西岡本の家
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寸評
街路樹を上手に取り込んだ建物。家のアプローチにまちなみや通りとの一体感が生まれている。
応募者名:弓良 一雄
 作品名:土志田邸
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寸評
建物壁面の緑化フレームに育ってくる緑が、通りに緑の影を落としてくれる。
応募者名:株式会社アライ設計 荒井 正幸
 作品名:上小の家
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寸評
商住混在の繁華な土地にありながら、両隣の家との緑の連続を作り上げており「まちなみ」の基本である近隣への配慮が活かされている。
応募者名:吉原 伸彦
 作品名:鳴滝京邸定借分譲住宅
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寸評
周囲の「まちなみ」に配慮して分譲住宅地を連続した屋根付き塀で囲い、駐車スペースもその塀の中に共通した格子デザインで美しく納まっている。
応募者名:森吉 直剛アトリエ
 作品名:元浅草古川ビル
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寸評
塗り壁と木製(不燃材)ルーバーによる「やわらかい」表現がされている。夜間のファサード明かりが通りにもやさしい。
応募者名:株式会社長谷工コーポレーション
      エンジニアリング事業部 中條 広隆
 作品名:デュオ・フィールズ フォンテコート
       /グローブシティ
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寸評
沿道に供された水のある景色や、緑が多い公開道路が、まちなみをなごませている。
奨励賞※4   23件
応募者名:大和ハウス工業株式会社 相模原支店
 作品名:長田邸
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寸評
まちなみに対しオープンな外構と、植栽によるプライバシーの保護を巧みに組み合わせ、通りに明るさを与えている。
応募者名:新名 良一(住友林業(株))
 作品名:山本邸
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寸評
建物の土塀と、街を流れる疎水を彩る緑や石組みが良くマッチしている。建物横の「こみち」と建物・塀も楽しくて、美しいまちなみを作っている。
応募者名:有限会社 創新設計 上塘 洋一
 作品名:香住ヶ丘の家
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寸評
擁壁をセットバックさせ、植栽帯を設ける事で、前面の通りにやすらぎと豊かさを与えている。建物もまちなみ全体と良くマッチしている。
応募者名:山田 新吾
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寸評
オープンな外構であり、通りに明るさと開放感を与え、緑が育っていけばアプローチもより楽しさが深まる。
応募者名:アドパース設計 横山 正登
 作品名:浮遊する離れをもつ家(楽水居)
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寸評
素材感を楽しんでいる住宅。まちなみに対し開放的で、語らいの生まれる空間が造られている。
応募者名:大西 憲司
 作品名:御領の家
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寸評
水郷集落の美しい伝承が息づいている。建て替えられた母家も、良く周囲の風景にとけこんでいる。
応募者名:セキスイエクステリア株式会社大阪支店
       北大阪営業所 田中 大成
 作品名:玉岡様邸
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寸評
シンプルで開かれた外構により、美しく育った街路樹とこれから育つ敷地内の緑が一体となり、楽しい空間が期待される。
応募者名:株式会社ハマノ・デザイン 濱野 忠彦
 作品名:SUMA HOUSE
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寸評
すっきりしたデザイン、白い外壁が、隣の寺院の石垣と良く合い、その土地の記憶となるであろう大きな楠と共に美しい街角をつくっている。
応募者名:相澤 仁
 作品名:相澤邸(通称 綿屋)
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寸評
出雲崎町の伝統的なまちなみを守るべく、雁木の復元や、シャッターの木製扉への変更、クーラー室外機の覆い等、多くの工夫と努力がなされている。
応募者名:パナホーム株式会社首都圏環境開発支社
      設計センター 中村 厚
 作品名:鎌倉御成町 分譲計画
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鎌倉の美しい風景の中に計画された分譲地に建つ家だが、その地の歴史と共に生きた樹齢200年のタブノキを敷地内に残し、地域の記憶にも配慮されている。
応募者名:東急ホーム株式会社
 作品名:あすみが丘輸入住宅村
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宅地に門・塀を設けずオープンにし、高木を植えて街路樹とした、緑の連なりが美しい。
応募者名:株式会社バウハウス・アソシエイツ
       河辺 宏
 作品名:京都・木津町の家
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しっくい壁の家が建ち並ぶ昔ながらの集落内の屋敷地を購入。
周囲の景観を意識し、地域の共感の得られる意匠としている。
応募者名:株式会社醇建築まちづくり研究所
 作品名:高見三条
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寸評
「桜と水辺のふれあいの街」。楽しい小径や水路(せせらぎ)が住宅地に変かと潤いをもたらし、又、それぞれの家が個性的でありながら、ゆるやかな景観の統一を果たしている。
応募者名:株式会社ランドスケープデザイン
      代表取締役社長 鈴木 歌治郎
 作品名:フォレステージ高幡鹿島台
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寸評
曲線状のメイン道路、ボンエルフ、コモン広場 等、よく考えられた団地開発である。武蔵野雑木林をイメージした植栽が美しい。
応募者名:株式会社ゼロワンオフィス 伊藤 正
 作品名:J-alley(ジェイ アレイ)
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寸評
建物、北南棟にはさまれる小径(アレイ)が、都会的で美しい。通りに開いた建物が、小径を通じ人を呼び込むような楽しさがある。ライトアップされた夜景も美しい。
応募者名:宮の森3条コーポラティブハウス管理組合
      理事長 後藤 孝一朗
 作品名:宮の森3条コーポラティブハウス
      TIO(ティオ)
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風致地区に建つ2層のテラスハウス。緑豊かな傾斜地に建てられており、幹線道路からの展望も配慮されている。
応募者名:株式会社本間總合建築
      代表取締役 本間 充一
 作品名:tri-court USHIHAMA
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寸評
老朽化した木造住宅と店舗が混在した地区を、住民主導で再開発。地域に解放されたプロムナードや、建物外周部に歩行者空間をつくる。電線地中化や植栽で景観に潤いを与え、夜間はライトアップをして防犯・景観に配慮している。
応募者名:林 敏夫
 作品名:かぶと虫の住む町
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寸評
人と自然が共存できる街づくりを目指して分譲地が開発された。敷地内には地域の自生種の樹木を残すように配慮。電線の地中埋設、付属物を常緑樹木で隠す、又は、ゴミ箱などコンクリートで円く囲うなど、景観への配慮をしている。
応募者名:矢野 智久
 作品名:笠井邸
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寸評
閑静な住宅地に建つ建物。周囲は高い塀に囲まれた家が続くが、この建物では、塀の高さを抑え、目隠しのための常緑樹を見せることで、通りに潤いを与え、塀も自然石で落ち着きと風合いを与えている。
応募者名:株式会社リフォームネット 緑園店
 作品名:M邸
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寸評
閉鎖的になりがちな塀を、開口部等の変化をもたせ、開放性と楽しさを演出している。花壇の赤レンガは近隣の共通仕様のもので、まちなみの連続性を醸し出している。
応募者名:地中海庭園 永井 明弘
 作品名:IL PRATICELLO 芝の庭
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寸評
思い切ったオープンな外構、芝生の造形が美しい。この家の後に建てられた家にも影響を及ぼし、開放的な「まちなみ」が続いていったという、まさに「一戸から始まるまちなみ」である。
応募者名:神家昭雄建築研究室
 作品名:日高町の家
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寸評
古い街並みで、地域の人に土地の記憶として残る、この地のランドマーク的な建物である。当時の記憶を大切にする事を「まちなみ」への配慮ポイントとし、新しいデザインや思考を入れて改造されている。
応募者名:株式会社八清(ハチセ) 板野 千春・小川 直子
 作品名:リ・ストック住宅 ®
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寸評
アパートから一戸建て住宅へ再生。
環境を重視し、廃棄物の発生を抑え、まちなみを育成していく観点から、今後が楽しみなストック重視の手法である。
入選者には、各々、表彰状と副賞が授与されます。

※1 国土交通大臣賞 副賞 30万円
※2 関係団体長賞 及び実行委員会長賞 副賞 5万円
※3 優秀賞 副賞 3万円
※4 奨励賞 副賞 2万円