講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


2.子育て座談会


3.保育園と保育時間

加茂: 私は、家の近くのある保育園に預けたいと考えているところです。そこには夜間保育園も併設されていまして、保育時間は朝7時から夜10時までなんです。
鈴木: 日本で最初の夜間保育園ですね。
加茂: そうです。何件か保育園を見て回ったのですが、やっぱりここがいいなぁと思って。昼間保育園の方に預けると夜7時が限界なんですが、前もって分かっていれば追加料金を払って臨時託児を10時までお願いできるんです。夜間保育園に入園されているお子さんは、10時までの任意の時間までというかたちになるそうです。
瀬渡: 臨時託児は週にどれくらい利用できるんですか?子供の立場からすると毎日っていうのはとてもつらいことですよね。
加茂: 臨時託児の上限はちょっと分からないです。でも、子供の立場からすると、確かにきついですよね。朝7時から夜の10時までっていうのは。既に一時保育を夜までお願いしたことがありまして、その時に8時くらいに迎えに行ったんです。うちの子供の場合はまだ1歳そこそこだから状況が分かってなくて元気なんですけど、2歳3歳の子供を見ると、ちょっとつらそうな感じがあるんですね。
松村: そっか、子供はつらいんだ。今日も残業かーみたいな。
瀬渡: 結構緊張してるよね。
木多: おとなしくしてないといけないしね。先生に怒られるとか。
加茂: その8時くらいに迎えに行ったときに、どっかのお母さんが来たーって他の子供までが寄ってくるんですよ。で、ぜんぜん知らない子供が抱きついて来る。早く迎えに来て欲しいんですよね。ちょっと切ない気持ちになるっていうか、それが8時過ぎの保育園の現状かもしれません。
松村: なるほどね。
加茂: だから、そういう意味では、預ける場所を増やすことや預ける時間を延ばすことは、働くお母さんにとっては切実なんですが、単にそれだけでいいのか、疑問は残ります。私自身も妊娠中なんかは、あそこは10時までやっているからなんて楽観的に考えていましたが、いざそういう状況を見ると、預けられればいいというわけではないことを実感しました。
鈴木: 西原理恵子の漫画「毎日かあさん」にもありますよね。迎えに来るたびに私のママかなって見に行って、違うので泣く。そして涙を拭いてまた遊び出す。その繰り返し。
瀬渡: 私もずっと保育園に預けていたんですけども、奈良市は昔からわりと長めの保育をしていて、6時半まで預かってくれていたんですよ。通常は5時半ぐらいまでですよね。それで、6時半くらいに行くと、うちの子供と友達と2、3人くらいが出てくる。どのお母さんが先に来るのか、最後になっちゃうのは自分か、みたいな感じでずっと待っていたんでしょうね。仕事をしているとどうしてもぎりぎりになっていたんですが、今から思うと大いに反省してますね。最近子供ができた同僚を見ていると、その辺は割り切ってうまくやっていますから。私はまずかったのかなーって。
松村: それは仕事の切り上げが早い?
瀬渡: そう、早いし、時間が来たら何があろうが帰ってしまう。彼女は母乳で育てていたんですよね。母乳が出るようにがんばって、それを冷凍して保育園に預けて、職場でもちゃんと搾乳して持って帰ってということを、本当にきちっとやっていたので、えらいなあと思っていました。


前ページへ  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP