講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


(小川千賀子さんプロフィール)
リクルートコスモスを経て、1998年に(財)ひょうご中小企業活性化センターの出資により、株式会社デザインクラブを設立し代表取締役となる。新築マンション購入者のためのユニークな自由設計の仕組み「デザインパートナーズシステム」を提案し、関西圏を中心に60を超すプロジェクトで700軒以上の実績を持つほか、様々なコーディネートやコンサルタントを行っている。
HP:http://www.designclub.co.jp/
小川千賀子さん
マンション購入者のためのデザインパートナーズシステム



1.これまでの活動

2.ISO9001をとった打ち合わせ・記録・チェックの仕組み

3.デザインクラブに依頼する顧客

4.インフィル設計への展開

5.デザインクラブの立場

6.サービスの基本

7.ディベロッパーの役割

8.間取りという概念がなくなる

9.お客さんのお友達からスクールへ





1.デザインクラブの仕事

小川 デザインクラブという社名は、ある方がデザインという言葉は「デザイアー」が語源だと言われていて、エンドユーザーの熱望すること、 切望することを可能にしていく集団、クラブでありたいということで名付けました。 ロゴマークの中に「for smile with friendship」とあるように、お客様の笑顔のために、常に信愛の情を持って接するクラブでありたいと考えています。 設立して5年たちましたが、デザインパートナーズシステムでこれまで700軒近くのお客様の設計変更をさせて頂いています。

よく事業主さんや販売される営業の人から、「マンションの設計変更をしたいのは、 お金持ちだけ、高い住戸を買う人だけで、所得が高くない人、買うのがせいいっぱいという人は変更なんかしない」といわれます。 たとえば神戸市の再開発のタワーの時も破壊的な低価格だったので、せいぜい一割位の人がちょっと贅沢にやりたいと変更する程度ではないか、 というのが大筋の見方だったんですが、ふたをあけると40%の人がご利用して下さいました。 この40%というのは私たちにとって一番少ない数字なんですね。千里の桃山台の大阪府公社の住宅では、9割近い方にご利用頂いています。

設計変更の具体的な内容ですが、形を変えておしゃれにするとかいうよりも、実際は実需というか、コンセントの位置、スイッチの位置、建具の位置、収納計画、そういうものがメインなんですね。 お客さんは点と線でしか考えてないので、この壁がもう10cmか5cmこっちに寄ってくれればタンスがこう入るとか、 ベッドと組合わせるとクローゼットの扉が開かなくなるからこうずらしてとか、要はグリッドではなく、内側から考えていくじゃないですか。 こうした必要寸法というのは自分の生活の寸法なわけであって、それに合わせて壁の位置、扉の位置、スイッチの位置を全部決めていくのが私たちがやっているお手伝いです。 ですから自由設計とかフリープランという言い方より、お客様のリクエストに可能な限りお答えするサービスと言った方がいいかなと思います。


1  2  3  4  5  6  7  8  9  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP