詳細解説
作品と部位別提案手法
  マトリックスとの関連
  • 現況
    旧東海道(現在県道)に面した住宅地。大正〜昭和初期の町屋が少し残るが、新しい住宅に変わっている地域。しかし敷地形状は昔の特徴を残しており、間口は3〜5間(5.4〜9m)で奥行きが長い宅地が連続している。
  • 法規制
    都市計画区域、用途地域無指定
    容積200% 建ぺい率70%、法22条地域
  • 前面道路
    県道(幅員7m)
  • 設計の考え方
     新たなまちなみを創り出すのではなく、かつてのまちなみが生き生きとしていたころの姿を取り戻そうと考えました。生活がにじみ出てくるようなまちなみです。
     地域の気候風土にあった屋根や外観、開口部などはそのままとし、それらが十分に機能するための工夫をしました。長い間、様々な試行錯誤を繰り返しながらたどり着いた蒲原特有の町屋のあり方を、現代の住宅に生かしていくことを心掛けました。
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  • クライアントの合意のプロセス
     合意という感じではなく、自然な形でまちなみへの配慮ができたように思います。それは、クライアントが改築前の住宅での暮らしを否定的に捉えていなかったことが要因だと思います。それまでの暮らし方を再調整する方法で設計が進められたので、その結果として、まちなみも再調整されながら調和していったのではないでしょうか。
     新たな住まいの設計を進める際に、それまでの暮らしを分析して問題点や課題として捉える手法は、培ってきた家族の歴史を否定しているようで、新しい住まいに変わってしまい、まちなみも全く新しいものへ変わってしまうように感じます。