受賞者名 有限会社設計処草庵 中原賢二
作品名 新・京町屋


●まちなみ配慮のポイント
 この界隈は、古い街並みが一部に点在する旧染物町だが、建替えられた建物は全て建売風で画一的であり、前面道路は四条通の抜け道の為人も車も交通量は多い。施主は祇園祭の世話役や東寺の大師祭の炊き出し長を務め、近隣住民の親的存在であり、その生活スタイルは地域伝統に根ざしている。よって、地域社会への景観オピニオンリーダー的存在の建物として位置付け、環境に配慮した外観デザインによる、同業者への意識改革と地域住民への波及効果、及び伝統的景観の保存に寄与することを目的とし、古都・京都としての伝統・文化を発信できるエレベーションデザインとした。
 
 市街地の準防火地域内での総3階建て・狭小地という悪条件の中、京町屋の風情を残しながらデザインに加味、付柱や付染を貼物ではなく無垢材を欠きこみ使用、本物の糸屋格子のモデュールに拘ると共に、太陽光発電システムや井水利用等のエコロジカルな資源利用や自然素材の使用で地球環境に寄与している。
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