講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


9. リノベーションによるまちづくりに向けて
徳田:  北九州のリノベーションスクールは、関連プロジェクトを含めると20件ほどの事業化案件と400名以上の新規雇用者を創出してきました。今後は北九州から起こったリノベーションスクールが全国や東アジアに展開して行って、ストックを活用したまちづくりが大きなムーブメントとして進展することを望んでいます。ちなみに今年まででリノベーションスクールが40回以上開催されるようです。受講者と関係者を合わせるとざっと1,600人を越えることになります。それだけの広がりを持ったコミュニティが生まれているわけですが、こうした各地での開催は2015年に設立した「リノベリング」という会社が受け皿になっています。
私自身は九州工業大学での教育・研究が本業です。従来の大学教育プログラムは、建物をつくる技術者の育成を目指してきました。しかし今後は、建物を使う技術者を育てることが求められると考えています。そこで、エリアマーケティング学、ストックマネジメント学、ストックデザイン演習という三つの内容を柱とした大学院の教育プログラムを作ったところです。このようにしてリノベーションスクールから得た知見を大学の教育・研究活動に生かしながら、当面は僻地再生をテーマとした社会実験などに取り組んでいきたいと思っています。



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