講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


3.住むだけでない家
鈴木:  奥様は道路側を全部パブリックにすることに抵抗はありませんでしたか?
奥様:  主人と一緒に考えていたときから、お店や書道教室をやりたいなと思っていたことは確かなんです。でも全面ガラスというのはやっぱり抵抗はありましたね。なんかうまいこと言いくるめられた感じもします。「いったん建ててしまってから開放的にはできない。隠したければカーテンを吊せばいいだけだし」とか言われて。でも住み始めたら意外といけるやんという感じです。
鈴木:  1階は書道教室で2階はいずれカフェですよね。街に開くスペースが2種類あるというのがいいんでしょうか?
奥様:  その辺はまだ何とも言えないですね。1階にしても、建てる前はギャラリーにしようという気持ちもあったんです。自分のやりたいことから手をつけたら書道教室になってしまった。計画していたことをあくせく実行するのでのはなく、今をどう楽しむか優先させていこうという感じです。
西田:  本当は庭もはじめに作りたかったんです。資金不足が大きな理由ですが、別に植木屋さんに頼まなくていいから、ちょっとずつ自分たちでやれることをやろうと考えるようになりました。ですからホームセンターにやたら行くようになりましたね。この「ライフスタイルと住まい」の集大成って言ったら変かもしれませんが、全ての取材経験をこの家づくりのヒントにさせてもらっています。
それから僕にとって予想外だったのは、妻がここで書道教室を始めたことです。二人の間に何かを人に教える難しさという共通点ができたことで会話も増えましたね。僕としては慰め合いながら、明日も学校で頑張っていこうという気持ちになっています。
松村:  なんだか急に新婚さんいらっしゃいみたいになってきたね(笑い)。



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