講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


2.街に開かれた家をつくりたい
松村:  実際に来るまではウツボ公園があって駅も近いけど、落ち着かないんじゃないかなと思っていた。でも意外と静かですね。隣地に家も建っているし。
西田:  それは元の敷地が三分割されて宅地として売り出されていたからですが、基本的にこの辺りは倉庫街です。マンションも最近は増えてきたらしいです。家の向かいは印刷会社の倉庫ですが、結構朝早くから人が来て夜遅くまで働いておられますから、住環境としても寂しくはないですし、安全な気がしています。
松村:  こういう環境に家を建てるに当たって西田さんが重視したことは?
西田:  一言で言うと「街に開かれた家をつくりたい」ということです。耐震壁で視線を遮られたくないと考えると、重量鉄骨ラーメン構造以外に選択肢はなかったですね。ご覧の通り中央に階段を設けて、道路側を思いっきり街に開いています。1階奥には四畳半程のスペースがあります。現在は納戸扱いですが、将来、親父かお袋が一人暮らしになってしまったら住んでもらおうと考えています。道路側は妻の書道教室に使っています。
2階はリビングですが、いつか喫茶店にしたい。その時に最終的に仕上げるつもりで今のところ床は下地現しとしています。棚に飾ってあるのは妻が趣味で制作したアクセサリーですが、将来こうした小物をここで売ったりできたらいいなと考えています。ちなみにキッチンは業務用のホシザキに依頼しました。完璧なプロ使用です。これは長年の夢だったんです。
松村:  西田さんのやりたい放題のようだけど?
西田:  ホシザキを入れるのには張り切りましたね。機器の下に排水溝が必要だから後から入れるのは難しいんですよ。機能的で使いやすいからって妻を説得して入れたんですが、「私はこういうイメージじゃなかった、もっとおしゃれなキッチンが良かった」と初めは怒っていましたね。
奥様:  私が思っていたのは、今流行っているステンレス製のおしゃれなキッチンです。でも、今のキッチンも使ってみたらやっぱり便利ですし、見慣れたら愛着も湧いてきましたね。



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