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6.つづら棚田の保全の取り組み
菊地:  新川・田篭地区の中心には筑後川の支流になる隈上川が流れていて、その流域やそこに流れ込む谷川に沿って棚田が形成されています。なかでも「つづら棚田」は、起伏に富んだ地形に300余りの棚田が築かれたダイナミックな景観を有していて、日本の棚田百選にも選ばれた棚田です。ただ、過疎高齢化が進み、棚田の担い手不足から、その維持が難しくなってきています。
その活性化対策として、1998年から「棚田オーナー制度」が始められました。これは、都市住民が年会費を払って田植えや稲刈りなどの農作業に参加し、収穫米や農産物を分配されるというものです。人気が高く、毎年100組程度の申し込みがあり、現在も続けられています。
しかし、葛籠集落の過疎化は収まらず、以前は50戸余りあった農家が2003年には9世帯に減少し、担い手不足から稲作が続けられなくなる棚田も増えてきました。そこで、周辺農家の有志が集まって「棚田を守る会」が結成され、2007年から耕作されなくなった棚田の代理耕作を行うようになりました。現在、棚田を守る会は約50枚の棚田の耕作を請け負っており、つづら棚田の保全に欠かせない存在となっています。





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