質問:今回の研究センターの設置方法ですが、通常の寄附行為とは違って、終了期間を設けない形のセンター研究という理解でよろしいのでしょうか。
藤井氏(東京大学総長):そういうことになります。これがエンダウンメント型研究機関の特徴でありまして、通常の寄附行為ですと、毎年これぐらいの規模で何年間の研究となりますが、エンダウンメント型の場合には、運用駅で恒久的に研究を行えるとなります。
質問:研究の内容が多岐にわたって、幅広い分野になると、研究成果の発表のタイミングが、かなり後になるかなという印象があります。最初の研究成果の発表時期について、具体的な時期があれば教えていただきたいと思います、
小泉氏 (東京大学教授):ご指摘のとおりで、非常にワイドな領域で且つロングビジョンの研究の構想になっております。ただ一方で、我々が研究として取り組むべき具体的な課題のいくつかは、短期的に研究成果として出せるものがあると考えております。我々の考えでは、最初の1年ぐらいは研究の大きなトピックとして、どこに注目するかというところを議論して、その後1年2年と確実に研究成果を上げていきたいと考えています。ただおっしゃられたように、新しい住宅市街地や都市のあり方を実際に構想して、そのデザインに向けた制度を具体的なものとして定着させるということになれば、やはり5年とか10年といった長いスパンの仕事になると思いますが、研究としては着実に1年1年成果を出していきたいと考えております。
藤井氏 (東京大学総長):本センターからの発信は、然るべきタイミングで、しっかりと進めたいと考えています。
質問:センターのスタッフについて教えてください。
小泉氏 (東京大学教授):人事はこれからの検討ですが、現段階でご説明できることとして、スタッフについては、常勤2名、非常勤2名、それ以外に各部局から兼務する先生方が数名参加されるというような形でのスタートを考えています。センター立ち上げ時には私がセンター長を務めさせていただくということになりますが、然るべきタイミングで、国際連携や政策立案を始めとする実効力を確保するといった観点から、ふさわしい方をセンター長にお迎えしたいというと考えております。
質問:大和ハウス工業様が大きな社会課題への対処を目標としているというご説明をいただいて、私も非常に社会的意義のあることだなと思ったのですが、一企業として、寄付のフィードバックや研究成果を活かすといった大和ハウス工業様のメリットについて、どのようにお考えでしょうか。
芳井氏 (大和ハウス工業代表取締役会長):今回の寄付を突然行ったということではないです。我々が建設した全国61箇所のネオポリスについて、2015年から、SDGsの目標である「つくる責任」という立場から、再び輝かす取組を行っています。昨年の「ネオポリスサミット2024〜ネオポリスの再耕に向けて〜」には小泉教授にもご参加いただきました。郊外団地に住んでおられる方々が困っておられることは、ネオポリスに限ったことではなく、再耕の取組を発信していくことは、広く多くの方々の共有されることになりますし、それが我々の創業者の考えであり、我々が本気で取組んでいるところと考えていただければと思います。
質問:大和ハウス工業様から研究員をお呼びして、一緒に研究をしていくという形をとるのでしょうか。あるいは知見を共有しながら随時相談をさせていただくような形になるのでしょうか。どのような形を具体的に想定されておられますか。
芳井氏 (大和ハウス工業代表取締役会長):研究員をすぐに派遣するということは考えていません。ただやはり色々なレコードや経験値を持っていますので、お呼びがかかると、当然我々も参加させていただいて、研究成果のためにしっかりとサポートしたいと思っています。人的にも協力を惜しまないと考えています。
質問:2023年に東京大学初のエンダウメント型研究組織として東京大学応用資本市場研究センターが開設され、先日も政策提言の記者発表が行われました。本センターにおいても同様に、政策提言としてまとまったものができた場合は、記者会見などを開いて広く公表される形になるのか、あるいは国の機関や各自治体などに個別に提言していく形になるのか、お考えがございましたら教えてください。
小泉氏 (東京大学教授):政策に関して広くアナウンスできることがあれば、記者会見のような形になるかどうかは分かりませんが、情報発信を積極的にしていきたいと考えております。一方で、ご指摘のあったように、国の省庁や自治体など実行なされるところと一緒に新しい住宅市街地や都市再生のあり方というのを考えていく必要がありますから、しっかりと情報をお届けしていきたいと考えています。
以上