上郷ネオポリスの最新情報

(3) 産学官の連携体制

 これからのまちづくりは、弊社だけでできるものではなく、弊社と上郷ネオポリス自治会、東京大学、横浜市ががっちりとスクラムを組むことが絶対条件と考えています。今年1月には横浜市との包括協定を締結することになっています。野七里テラスという拠点ができ、専用のジャンパーを着たボランティアを多くの方々が見かけるようになり、関心を持つ方が増えました。多くの住民を巻き込むことが最も大事で、2020年度には500名のサポーターによる組織づくりを進めて行きたいと考えています。

(4) 上郷ネオポリスの新しい住まい方モデル

 まちの再生は始まったばかりで、上郷ネオポリスに住むことの新しい価値や魅力をつくっていくことが必要です。昔はニュータウンやマイホームという分かりやすい魅力がありましたが、これからは多世代が住むまちとしての郊外の魅力をつくるために、ハードだけではなく、そこに住む人のためのソフトサービスを整備していくことで、今住んでいる人の定着と同時に新しい人の転入を進めて行くことが必要です。
 多世代にわたる魅力づくりのキーワードは『健康』『生きがい』『つながり』『安心』と考えています。そのためには、利用料や労働力を、サービスを享受する方々からいただくことが必要と考えています さらにはサービスを提供する企業の方からも出資金をいただいてお金を回していくということも今後は必要ではないかと考えています。
 現代は60代の方でも20年から30年のネクストライフが残っており、楽しく過ごせる20年にしなければ何のための長寿か分らないという時代において、大和ハウスのまちに住んでいれば楽しい20年が過ごせるということを実現していきたいと考えています。

(5) 公共施設・空き家の利活用など

 これからの10年間で123戸、1年あたり約10棟の空き家が発生すると予測しています。
 収入の低い若年層向けに、古い空き家をリノベーションして、定期借家権で借りて住みながら子育てしていくことが考えられます。さらに空き家を高齢者向けのシェアハウスにして、家から離れるけれどまちからは離れないという住まいもできるでしょう。
 さらにこれからの検討課題として、空き家を分散型サ高住及びサービスセンターとして、まち単位で見守るシステムをつくることを考えています。また、子どもの減少により使われなくなった公園の敷地を利用して、小規模多機能、グループホーム、シェアハウスなどをつくることを、包括協定の締結後に、横浜市に相談したいと考えています。
 若い人がまちの中で商売できないかと考えています。昨年11月には野七里テラスの近所に、空き家を使って海外から取り寄せた、日本では売っていない玩具を扱うお店ができました。ネット販売も行っています。夢を実現したいということで始められたそうです。

(6) これからのまちづくり

 弊社では、大和ハウスグループが全国のロイヤルホテルで行っているリゾート事業と連携したアクティビティ提供を、総務省のモデル事業として行っています。長野県にブドウ畑とワイナリーがあるのですが、地元にはブドウ栽培やワイナリーに携わる人がおらず、上郷ネオポリスの高齢者がロイヤルホテルに泊まって、ブドウ畑・ワイナリーのお手伝いに伺います。皆さん、旅行がお好きですが旅行だけではあきたらない部分として、地域連携で地方にも貢献できる生きがい創出の取組みです。

(7) 上郷ネオポリスの新しい住まい方モデル

 これまでのまちづくりの失敗している点は企業や大学からの一方通行だったところにあると思います。40年以上、この地域に住んだ人が主役になって、実際に立ち上がらないとまちづくりはできません。ディベロッパーの役割はそこの支援ということが、上郷ネオポリスに6年間関わって分かってきたことです。まだ始まったばかりの取り組みで、可能性を生み出しながら進めているといったところです。ハードルの高い仕事ですが頑張って進めて行きたいと考えています。