上郷ネオポリスの最新情報

(2) 野七里テラス

 “お茶場”をどう実現するかについては、当初は空き家活用が考えられていましたが、バスロータリーとして使用してきた大和ハウス所有の敷地の一部を、バス本数が減ってきバスロータリーにそれほど広い面積は必要ないだろうとなったことから、利用することになりました。“お茶場”が欲しいという声と同時に、買い物難民が増加していること、ランニングコストを含め誰が“お茶場”を維持管理するのだということを併せて検討し、コンビニ (ローソン) 併設型のコミュニティ拠点を整備することになりました。
 従来は第1種低層住居専用地域でコンビニなどは建てられないことになっていましたが、国交省は2016年に買い物難民の増加する郊外における生活基盤維持のために、「第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域におけるコンビニエンスストアの立地に対する建築基準法第 48 条の規定に基づく許可の運用について (技術的助言)」を発出し、横浜市も、“地域と連携した取組”や騒音・振動・臭気・夜間照明等の対策といった「許可条件」に適合するコンビニを特例許可の対象とする許可基準特例を2017年4月1日から施行することになりました。
 上郷ネオポリスにおけるコンビニは、横浜市の許可基準特例によるコンビニ第1号物件ということで、横浜市との事前協議を多く重ねることになりましたが、地域の皆様の熱心さによるところが大きく、野七里テラスとして実現しました。
 野七里テラスのオープンには、多くの方々が集まりました。弊社の会長及び社長も出席し、住民の方々と1時間ほどの会話の時間を持ち、会社として郊外再生に本気で取り組もうという姿勢を確認することができました。
 移動販売車での販売も行っています。自家用車を使わなくなったお宅のガレージを利用した販売場所を5か所確保し、住民の方々から移動販売車を楽しみにしていただいています。
 夕方には野七里テラスに子どもたちが集まり、勉強やゲームをして過ごしています。また、イベントでの紙芝居などに野七里テラスを使っていただいています。
 野七里テラスは国交省の「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」における働き方の検証について申請し、採択されました。本当にここで働く人がいるのかという声がありましたが、地域の方々が働いており、最高齢82歳のパートの方がおられます。店長は60代で脱サラして店長になられた方で、ローソンによる店長候補者向けの研修も受けられました。他にも、ボランティアでテラス清掃、花壇手入れ、高齢者のコピー取りやATM操作等サポートなどを行う方々がおり、専用のジャンパーを着ての活動を行っています。無償のボランティアですが、活動1時間ごとに、ローソンで使えるPontaというポイントに加算できる地域通貨をお渡しすることを試験的に行っております。
 まちの買い物利便性を高めるため、野七里テラスへのそれぞれの住宅からのアクセスをサポートする、ゴルフ場カートと同じ車両を使った地域内移動サービス導入についての実験を11月に行いました。ヤマハ発動機さんの作ったカートが1日10回、時速19km/hほどの速さで試走しました。上郷ネオポリスは道路が広く、この速度で運転しても他の乗用車にあおられるようなことは起きていないようです。試走段階での利用者は多く、是非本格的に導入してくださいとの声をいただいています。 fig1