東京大学高齢社会総合研究機構 (IOG)
ヘルスケアネットワーク (HCN) 研究会報告

「郊外における地域包括ケアシステムの見える化」

 

【質疑応答・意見交換】

吉田座長:柏市で毎月行われているセミナーで、先日、ミサワホーム総合研究所が講演を行ったのですが、300人くらい収容の会場が一杯になって、立ち見の方もいるほどだったとのことです。柏市役所とUR、東京大学による10年間の活動があって、ここまで盛り上がったのだと思いますが、なぜこれほど多くの人が集まるのかについて教えていただきたい。
田中氏:柏市と柏市医師会が中心になって始められた「柏元気塾」があり、ここでの講演のことです。地域の活性化には住民の方の意識向上が一番大事なんですね。住民のリテラシーを高めましょうということでこの勉強会を始めて、第1回目で、200人から300人が集まりました。毎回テーマを選ぶのも大変ですけども、テーマの素材を東大や医師会、近隣の企業といったところが提供しております。こうした活動を行政が後押ししてくれることが継続性や効果に影響することが非常に大きいのですが、こういう産・官・学・民の協働がとても重要です。地域包括ケアシステムや高齢者の生きがい就労といった活動が萎まないように、住民活動としてどう継続するかが課題と考えています。
成熟研委員:成熟研では、空き家を利用した分散型サ高住による郊外住宅団地の再生について検討しておりますが、そうした取り組みについて検討しておられますか。
田中氏:柏モデルでは拠点型サ高住に地域にお住まいの虚弱な方を集めて介護や生活支援サービスを提供するということを進めてまいりました。しかし拠点型サ高住の研究を進めている中で、必ずしも新しくサ高住をつくる必要はないのではないかと考えるようになりました。住まいのニーズに対しては、地域のアパートとか空き家だとかを活用して出来るのではないかという考え方になってきました。むしろ、そこで受けられるサービスの整備が重要なポイントだと思います。


以上