「郊外住生活の現状と問題点」
−郊外住宅団地住まい手の経年による
“からだ・心・交流”の変化と住まいのあり方−
(4) 郊外住生活の問題点
① 郊外住宅団地の福祉活動
郊外住宅団地は開発業者ごとに自治会が作られていて自治会名に業者の名前がついているところもあるくらいで、当初から仲間意識をもち、自治会として福祉活動も育っています。課題は新陳代謝が少ないため、高齢化が進み、担い手の減少で活動が停滞しつつあり、自治会そのものの維持が非常に難しくなってきていることです。
② 空き家問題
栄区の空き家率は大体6.5パーセントくらいですが、湘南桂台では、自治会に届出がある空き家は大体2%、それから届け出がなくて月に何度かもしくは半年に1度ぐらい様子を見に来るというような空き家はその倍くらい存在します。高齢化率が50%を超え、限界集落のレベルになっているのではないかと思います。
空き家は便利なところにあるとは限りません。不便なところにある空き家は活用の方法がなく、便利なところにあっても、空き家の場合はその家族の合意形成がなかなか得られない。その1番大きい理由は、いったん貸したら必要な時に戻ってこないのではないかという心配です。そこについてはやはり行政の信用を活用した制度が立ち合いでできればいいのではないかと思います。
③ 高齢者のモビリティ問題
高齢になると重いものを持てなくなり、買い物宅配を利用する人が増えてきました。そのためイトーヨーカドーもまもなく赤字になるだろうと心配をしています。一週間から十日に一回しか買い物に行けないと、生鮮食品がどうしても乏しくなるので、やむを得ず自治会で朝市をやってそれを補っているところがありますが、その自治会も朝市を運営する人が高齢化してきて、どうしたらいいのかという問題を抱えています。
④ 若い人のまちへの参加
夏祭りで中学校のブラスバンドに来ていただくといったことを一所懸命やって、若い人を引き留めようという努力を続けております。けれども、この祭を維持する人も減ってしまいまして、苦労しております。今はボランティアを募集してこういった行事を維持できる工夫をしております。これも限界集落の問題だと思います。
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