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Q1:この事業を始めるきっかけは? |
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A:介護・医療の関係者という視点でのハード作りを行いたかった。介護保険の改正などで、高齢者介護全般に関して複雑化して行き、関係者も追いついていなく、どうしていいか分からないのが現状。その中で、介護スタッフの視点に立ち、サービスモデルを作り、スタッフの教育・成長モデルを作る必要があると感じ、今回ゼロから立ち上げた。
介護の専門性があるだけではなく、人間性や暮らし方という視点を持った、サービス作り、環境作りを目指した。 |
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Q2:在宅介護支援事業にこだわる理由は? |
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A:セキスイハイムとして住宅を提供しており、耐用年数が60年と打ち出しているが、30歳で購入した人が90歳になっても、ハード面だけではなくソフト面でも本当の意味で住み続けられる住宅を作りたかった。実際に住み続けられるのか、と考えた時に一番疑問を抱くのは介護面であるので、在宅介護センターを試みた。 |
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Q3:現在の利用者数は? |
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A:登録者は100名程。デイサービスや訪問介護、通所等、それぞれのサービスを個々に契約している形。 |
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Q4:サービス提供エリアの状況は? |
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A:ここのエリア(名古屋市瑞穂区)は古くからの住宅街で、高齢化率は21%にも上る。昔から住んでいる人が多いので、住宅も古く、家の中も寒く、バリアがある家に住んでいる。外に出ず、こもって生活している人が多く、家の中の移動も困難であるため、歩行機会が失われ、要介護度が進んでしまう人が多い。そのため、この地域で小規模多機能のサービスを展開し、多角的に高齢者にアプローチをする必要があると感じた。 |
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Q5:施設の維持・管理について |
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A:現在、清掃業者は入れておらず、全て職員が行っている。要介護度が高い利用者が多いので、清掃も利用者に対する環境整備という視点を持つことを意識している。清掃マニュアルを作り、職員が環境を作っていく体制とっている。その中で徐々に清掃のパート職員や専門業者にこのノウハウを提供していきたい。 |
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Q6:この施設を計画する際、空間的に何を意識したか? |
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A:計画を考える際、活動動線というものを大きく意識した。利用者、職員の両者にとって使いやすい動線を考えた。利用者があまり行ったり来たりせず、かつ歩行機会を失わないように心がけた。他の利用者と活動動線がクロスしないようにした。職員においては、他の職員との動きの関係や、動線上に収納などの配置なども考えた。今までの経験より、職員の動線計画が悪いと、いくら職員がいてもバタバタしてしまうと感じていたので、今回は職員動線にも配慮した。 |
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Q7:現状での改善の余地があると感じる点は? |
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A:今回、設計段階から介護の専門家が参加でき、様々なディスカッションが行えたので、満足している。しかし、素材や条件等の制限はどうしても出てきてしまうので、まだまだ改善余地があると感じている。例えば、トイレ、洗面においての環境が特に重要だと感じるが、洗面所にて車椅子の方が立位で行うにも膝を支える部材が無いので立位の機会を一回失ってしまう、などが挙げられる。 |
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Q8:テンポラリールームについて |
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A:施設内に全部で個室が5部屋あり、当初は短期間の高齢者賃貸マンションと考えていた。当時はまだ介護保険の適用を考えていなかったので、完全自費ではあるが、一ヶ月を目安に病院等からの在宅復帰のために計画した。その期間、ご家族も一緒に滞在してもらい、ご本人はリハビリ、ご家族は介助法を学んで頂いて、自宅に帰っての寝たきりになることを防ぐ目的で作られた。その中で、小規模多機能居宅介護が厚労省より認められるかもしれないという情報を得て、その方が負担も少なく利用してもらえるので、現在は制度に合わせて、申請を行えるように準備を行っている段階。 |
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Q9:小規模多機能の事業としての今後の可能性は? |
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A:事業を行う中で一番高いのは、人件費。この規模で、通所系、訪問系、と単体で見たら採算は合わない。職員の徹底した勤務管理を行い、複合的に勤務することで、可能にしている。そこで必要なのは、職員全体、サービス全体をマネジメントする力。質の高い職員を集めるというより、ここで育てていくという意識を持っている。レベルの高い専門職員を、マネジメントや評価、教育を行う役にあてる。臨床の機会は減っていくが、介護の仕事はただ肉体労働だけではなく、能力を上げていくことで頭脳労働にシフトしていく事業モデルを築きたい。 |
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Q10:地域の中の拠点とするためには? |
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A:小規模多機能という多角的なサービスを展開することで、総合的なサービスも行えるし、各々のニーズに合わせたサービスも行えるということで、今まで、外に出てこなかった人にもアプローチしていける。また、職員を育てていくという姿勢を持つことで、例えば2級ヘルパーを取って、介護に携わりたいと考えている経験の浅い人を、積極的にパートとして雇用し育てていくようなことを考えている。また地域の中で情報発信の拠点になることも必要だと考える。 |