図10 2階に入っているCo-doingスペース
施設を運営・管理する企業の方によれば、こうしたカフェや工房はコミュニティづくりの手段としての役割もあるそうだ。ビールは材料となるホップを住民とともに作る事を通じてコミュニケーションを生み、既製品の販売ではなくDIYの工房とする事で住民と会話しながらものづくりを行なっている。このように新たな取り組みがどんどん行われる場所であるひのさと48は、住民から「行くたびにどんどん新しく進化している」と言われる場所になっている。
◆今後の団地再生はどう進んでいくのか?
今回はまち開きから50年を迎えた日の里団地を探訪した。日の里団地では、次の50年に向けてまちを継承していくために取り組みを進めている。上述した取り組みに共通するが、日の里団地では住民や関心を持った人がまちづくりの重要な役割を持ち、ネットワークしながら主体的な団地再生が行われている。
本探訪では、団地の持つ空間・緑の豊かさとそこに根付く人の繋がりという団地の魅力を生かしつつ、既存の団地にないワクワクする場をつくる様子を見る事が出来た。今後の団地再生の方向性を考える上で、今後の日の里団地のまちなみからは、多くの見聞が得られるのではないかと感じている。
図11 緑豊かで広々とした日の里団地のまちなみ
◆謝辞
現地を案内して頂いた大分大学の柴田建先生、各施設を紹介して頂いた皆様に感謝申し上げます。
◆参考文献
*1:宗像市「宗像市の人口・世帯数」
https://www.city.munakata.lg.jp/w008/20150327204928.html
(2022/10/10閲覧)
*2:ひのさと記憶プロジェクト実行委員会編「ニュータウンのあの頃とこれから《日の里団地1971?2021》」山田雄三監修、弦書房、2022年
*3:木村秀子・林田公子・上野崇之編「CoCokaraひのさと開設1周年記念誌」谷口竜平監修、ココカラ運営協議会、2017年
*4:吉田啓助、今長谷大助「地域の『ひっさつわざ』拠点としての団地リノベ」2022年度日本建築学会大会(北海道)建築社会システム部門 研究懇談会資料、2022年
*5:柴田建「地元居住者+ネットワークのポリフォニックなまちづくり ?福岡県宗像市日の里団地での活動を通して?」2022年度日本建築学会大会(北海道)建築社会システム部門 研究懇談会資料、2022年
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(文章・写真・図:森田洋史)