写真6:一般車両の走行レーンと区別されるバス走行レーンと自転車走行レーン
◆4.おわりに
メキシコシティへの訪問を通して「メキシコシティは変化と調和の街である」という印象を受けた。セントロ地区を例に挙げれば、時代の変遷とともに築かれ、残されてきたアステカの遺構や欧州の旧市街を思わせるまちなみとラテンアメリカの陽気な雰囲気が調和し、散策する中でいろいろな街の顔を見られる心地よい都市空間が形成されていた。既存の都市空間と変化によって新たに生まれた都市空間が調和する潮流は近代の都市政策にも見られ、地下鉄やバス、トロリーバス、シェアサイクルなどの新旧様々な公共交通機関はTODの中で、それぞれの長所を最大限活かす形で活用され、調和していると言える。メキシコ経済は成長を続けており、それに伴ってメキシコシティの都市の様相はこれからも変化していくことだろう。現在のメキシコシティの持つ「調和」がこれからの「変化」をいかにして取り込むのか、いずれ再訪して確かめられればと思う。
(文責・写真:福島渓太)
◆参考サイト、参考文献(すべて2024/2/22に閲覧)
[1]ロイター: メキシコで大規模デモ、大統領の選挙機構改革に反対,
URL: https://jp.reuters.com/world/AO4B73CANBI6BOFT4VWI6SODBQ-2024-02-19/.
[2]Gobierno de la Ciudad de Mexico: El Zócalo,
URL: https://mexicocity.cdmx.gob.mx/venues/plaza-de-la-constitucion-the-zocalo/.
[3]西村亮彦: メキシコ・シティにおける公共交通志向型都市開発の展開に関する研究, 土木計画学研究・講演集, Vol. 51, pp. 33-38, 2015.
[4]一般社団法人日本地下鉄協会: 世界の地下鉄 メキシコシティー,
URL: http://www.jametro.or.jp/world/mexican.html.
[5]OpenStreetMap, URL: https://www.openstreetmap.org/.