講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


5.居住者参加のあり方
齊藤:  アメリカのHOA(Home Owners Association)と比較すると、レッチワースの場合、専門スタッフが経営しているので本格的な不動産経営が行われています。つまり管理だけでなくコンバージョンを含めた再開発まで手掛けていることが大きな特徴と言えます。その一方でレッチワースでは、居住者や行政の役員から30名のガバナー(理事)を選んで、細かな意見を吸い上げています。居住者からのガバナーの選出方法には、居住者の選挙と地元のクラブからの推薦があります。そのため理事会の構成員は住民と専門家が半々くらいになっています。

鈴木:  各地域から代表を選ぶといった方法ではないわけですね。
齊藤:  レッチワースではそうしたやり方はしていません。ですから、ガバナーを通じて住民の意向は反映されるものの、住民主体型ではないですね。レッチワースでは「住民は足で評価を行う」と言われています。つまり気に入った人は残るし気に入らない人は立ち去る。言わば市場を通して評価を受けるというスタイルですが、このスタイルで街の持続性に繋がるのかなという疑問は感じました。




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