ライフスタイル考現行


5.職人ネットワークの可能性
吉原:  職人チームが受注した仕事は、BASEができた2017年は30件でしたが、2020年には133件になっています。さらに、自分が請負った現場で他職種が必要になった場合などは、BASEを通じて紹介しあったりもしています。ですから職人さんの中には、BASE関連の仕事だけで1年を過ごしている方もいらっしゃるほどです。
亀崎:  職人から見ると、通常の仕事は作業単体の個別受注です。仕事と仕事に隙間が出来やすい。一方、私達の職人チームは、そうした隙間を埋めていく構造になっています。もちろん、職人同士のコミュニケーションがないと成立しませんが、相手の仕事の領域に少し踏み込みながら作業を進めていきます。そうすると、職人同士の提案が増えて効率も高まります。お互いの仕事を勉強するので職人の育成になりますし、お施主さんの満足にも繋がっていきます。昨年には、このチームで家を建ててくれという依頼もありました。
松村:  工務店を挟まずに、専門職の集団が請け負っているわけですよね。大野勝彦さんが唱えた職人のネットワーク論を思い起こします。地域に密着した様々な職人がいて、住宅づくりのネットワークを形成している。




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