●学習のねらい
 私たちは身の回りの事物からその特徴を捉え、比喩表現やことわざなど様々な言語表現を生みだし、生活文化を形成してきた。例えば、身体に関する表現では、「腕が立つ」、「足を洗う」などがあげられる。建物に関する表現では、「羽目をはずす」、「大黒柱」などがあげられる。他にも建物の周りの敷地に関する表現としては、「埒があかない」といった表現も思い浮かぶ。こうした表現は、日常、何気なく使用している言葉であるが、その語源をたどってみると、何とも的を得た表現であることに気づく。ここでは、こうした言葉を学びながら、私たちの生活文化について再認識してみよう。
●教育・学習の対象
 小学校高学年〜大人
●指導のポイント
 絵私たちの生活文化を表す言語表現から、建物の形状や特徴に目を向け、その役割や意味を推測する。
●準備する材料、事項
 ワークシート、木造建築の写真 (インターネット)
●展開とその方法
STEP 1 <気づく> <考える> <調べる>
建物に関する表現について考える学習。以下に示す「大黒柱」や「うだつがあがらない」などの簡単な例を取り上げ、図などを用いながら言葉の意味とその語源について考えさせる。木造建築の模型や古民家の写真などで説明すると理解しやすいであろう。時間があれば、興味のある言葉を選びグループディスカッションなどを行う。
例:大黒柱
大黒柱とは、建物支える上で最も不可欠な柱である。そこから、家族や集団を支える人を意味するようになった。
例:うだつがあがらない
うだつ(脇町) うだつのある町並み(脇町)

転写:フリー百科事典 『ウィキペディア (Wikipedia)』

うだつ(卯建)は、屋根のついた小さい壁で、1階屋根と2階屋根の間に張り出すように設けられているもの。本来、町屋が隣り合い連続して建てられている場合に、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐための防火壁として造られたものだが、後には装飾的な意味も加わるようになった。江戸時代中期頃に造られるようになったという。設置するにはそれなりに費用も要し、比較的裕福な家に設けられることが多かったことから、慣用句として使われるうだつがあがらないの語源となっている。うだつがあがらないとは、仕事などで成果が出ず、先の見込みがない状態を言う。ただしこの語源には諸説がある。今日、うだつのある街並みは少なくなっているが、徳島県美馬市脇町や岐阜県美濃市など一部の地域では、うだつを地域の象徴的な存在として保存に努めている。 また、長野県のJR東日本青柳駅では、2002年の駅舎改築で、うだつをデザインした駅舎が建設された。
STEP 2 <確かめる> <表現する>
まちにでて建物を見に行こう!総合的学習や特別活動、修学旅行などの時間を使って、実際の建物を見てみよう。自分たちの目で確かめたものを、写真や文章で表現してみよう。
その他の言葉
●参考文献
http://www.rtty1.com/kentiku.html
http://www.h2.dion.ne.jp/~kominka/kominka_012.htm