一戸の住宅から始まる美しい街並みへ
現在、我が国の住宅地のまちなみは決して美しいとは言えません。このことは各種の世論調査で多くの人たちが認めているところです。伝統的な風情を見せる町家や庭木の茂るお屋敷、郊外の計画された住宅地や都心の集合住宅などの一部には魅力的なまちなみが形成されているものもありますが、大半の住宅地は「まちなみ」としてとらえた場合改善すべき点が多いと思われます。これは日本の近代化において欧米の価値観が取り入れられ、住宅の様式にも多様性が生まれましたが、「まちなみ」として見たときには逆に混乱が生じ全体としての魅力を失っているためといわざるを得ません。そして極端に短い建築寿命もそれぞれの場所における時間をかけた個性ある「まちなみ」の成熟を難しくしています。
現代において伝統的な「まちなみ」と同質の美を求めることはもはや不可能ですが、一軒一軒の住宅の居住者あるいは所有者、また実際に建設に携わる設計者・施工者が近隣に対し、潤いや楽しさ、美しさを創出するよう工夫することは可能です。こうした取り組みが周辺に波及し、地域全体が美しく魅力ある「まちなみ」に育つことは期待できます。

住宅・すまいWebでは、こうした趣旨で「まちなみ」に配慮した既成市街地の住宅を集めました。この「まちなみ住宅」100選が少しでも、よりよい街並みの実現のために役に立つことを願っています。
 11月以降、イベント等で本入賞作品展示のため作品貸し出しをご希望の公共団体、NPO 等の方がおられましたら、相談にのりますので、ご一報ください。
住宅月間中央イベント「まちなみ住宅」100選 事務局
03-3592-6441