受賞者名 atelier A5一級建築士事務所 + オーノJAPAN
清水貞博、松崎正寿、清水裕子 + 大野博史
作品名 旗竿敷地の靄 (もや)


●まちなみ配慮のポイント
 住宅密集地の狭小住宅で“住空間の拡大”と“周囲との調和”という相反しやすい要素の両立、開放性の獲得を目的とし、狭小住宅の新たな可能性を模索した二世帯住宅である。
 21坪の旗竿敷地に、二世帯分の住環境、開放性を確保するには敷地の有効利用が必須だが、いわゆる居室としての内部空間の拡大だけでは敷地境界からの50cmの外壁後退義務により妙な隙間・無駄が出来る。その隙間は周辺環境に対して良好とは言えない場合が多い。全てを内部とするのではなく、内部の外周に外部よりは内部に近い半内部を敷地一杯に拡大することで、住環境として敷地の最大限の有効利用と周辺への圧迫感の軽減、距離感の確保といった「周囲との折り合い」を目指した。
 半内部とその表皮は周囲に光と風と距離を提供する“靄 (もや)”として成立し、“靄 (もや)”の中で住環境は敷地一杯まで拡大する。
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