緑のカーテンはなぜ涼しいの

●学習のねらい

本実践では、「教育と住まい・まち」のHPの住教育ガイダンスの論考<こちら> で紹介している小学校での実践の具体的なアイディアとその発展の「問い」を紹介します。

●対象

小学生

●学習の流れ

STEP 1 緑のカーテンはなぜ必要なのでしょうか?

人も植物も生きていくのに欠かせないものは何でしょうか?そぉ〜、太陽ですね。
太陽(光)によって昼間には植物は光合成によって酸素を発生させ、永い地球の歴史からみますと、そのおかげで人間や他の生き物が地球上に生息できるようになったのです。
光合成とは、文献では「植物などが太陽光のエネルギーを使って、デンプンなどの養分(有機物)を作ること」といわれています。植物などが行う「酸素発生型光合成」は、水を分解して酸素を発生し、二酸化炭素を有機物に固定します。温暖化の進展によって熱帯雨林の伐採などに注目されているのは、このような視点が不可欠だからです。
太陽の光が強すぎると、室内が熱くなり、それを和らげていくことが必要ですね。
そのために、「緑のカーテン」が必要になってくるのですね。

STEP 2 熱の特徴を調べる実験 熱の特徴を調べる実験

*用意するもの⇒
(1)2つのペットボトル
1つ目には白いビニールテープを巻く
2つ目には黒いビニールテープを巻く
(2)2つのペットボトルに水を入れます
(3)白熱灯1本(太陽光に見立てます)
(4)ストップウォッチ 2個
実験の仕方:約5〜7分程度、白熱灯をあててみましょう。どちらの温度が上がってきたでしょうか?その時間を測ってみましょう。

STEP 3 身近なところでの「温かいところ」を探しみましょう!

(1)まず、教室や特別教室で探してみましょう!
⇒教室のまどの方位と太陽の関係を調べてみたり、季節の違いを考えてみましょう。

日射を受けるところは
・季節〜冬至、夏至、春分、秋分
・方角〜東面、西面、南面、北面
・面の向き〜水平面、垂直面   などによって違います。
理科年表などで調べてみましょう。

(2)学校の校庭では「どこが温かい」かな、「寒いところ」はどこかな?
⇒太陽が当たっているところが温かいですね! 実感してみましょう。

校庭で陽に当たってみる
校庭で陽に当たってみる

STEP 4 「熱画像カメラ」によって緑のカーテンの効果を知ろう!

この写真は某小学校の校長先生からご提供いただきました。涼しいところは青色で表示されています。

校庭で陽に当たってみる
左は熱画像 右は実際の緑のカーテン

STEP 5 「緑のカーテンの科学的根拠を知る実験で「蒸散作用」を知ろう!

まず緑のカーテンの涼しさを実感:内側を歩いてみますと涼しさを実感できます。 蒸散作用を調べるために、朝、緑のカーテンの植物の葉にビニールの袋をかぶせます。2時間くらい経過した後、袋の中側に水滴がついています。 この水滴が蒸発するときに空気中の熱を奪うから涼しくなるのです。 これが蒸散作用です。

校庭で陽に当たってみる
緑のカーテンの内側で涼しさを実感

袋の中に水滴がついてるよ

□ 緑のカーテンを「街中の緑」として考えてみよう!

*近年、街路樹や公園の緑、さらに最近は屋上緑化をしている建物が増えてきていますね。そうした「緑」を街中に増やしていくことがとても大切になってきます。

□ では、冬に温かく過ごすにはどうしたらよいの!

エアダウンジャケットを着る

エアダウンジャケットを着る

*まずは、STEP1で述べたように太陽に当たることですね。温室は太陽の恵みを利用しているのですね。

*厚着することもありますね。外気の寒い気温の影響を受けないようにスキー場や冬にはエアダウンジャケットを着ますね。

*住宅という建物では、エアダウンジャケットにあたるのが「断熱材」といいます。

*住宅の壁に「断熱材」を入れることで、外気の寒さ(夏には外気の熱さ)の影響を低くすることができるのです。



◇◆夏涼しく、冬暖かい住まい ワンポイント◆◇ 

国や自治体では地球温暖化対策として気候変動適応計画の一環としてZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)提唱しています。「夏涼しく、冬暖かい住宅」にすることによって、エネルギー消費が減るのです。居住する地域の自治体の気候変動に対処するための「適応策」を調べてみましょう。