デンマークのサムス島は、地域の特性をいかし、住民参加型で自然エネルギーの利用を進めたことから、「エネルギーの島」として知られています。その取り組みを紹介した絵本「風の島へようこそ」を読んで、自然のめぐみをいかした生活の大切さに気づき、身近なエネルギーを活用するにはどうしたらよいか考えることができるようにします。
<アラン・ドラモンド作 まつむらゆりこ訳 福音館書店>
●教育・学習の対象
小学生、中学生、高校生
●指導のポイント
自然のめぐみ(光、風、水、地中熱、地形など)は身近にあることに気づく。
自然の力を利用することで、快適な生活ができること知る。また、エネルギーを作ることができることを知る。
エコスクールの事例を知り、自然のエネルギーは工夫することでさまざまな活用方法があることを知る。
自分達の身近な環境を見直し、提案する力をつける。
●展開とその方法
STEP 1
絵本を読んで、自然を利用したエネルギーについて考えてみよう
絵本をヒントに、身の周りにある自然のめぐみを出し合ってみる。
光、風、水、地中熱、地形など
自然のエネルギーをどう使っているか、話し合ってみよう。
絵本のサムス島ではどうだろう。自分達の生活ではどうだろう。
例:
太陽の光や風力による発電。
暑い時に窓を開け、通風をよくする。
寒い時には日向で太陽のぬくもりを感じる。
「エコスクール」の工夫を知ろう。
自然のエネルギーを取り入れた学校「エコスクール」の事例から、さまざまな工夫があることを学ぼう。
STEP 2
自然のめぐみをいかす方法を考えよう
学校にエコを取り入れるには、どのようなことができるか。調べてみよう。
風の通り道をさぐる
学校の建物や校庭、敷地の中で、風が通る場所はどんな場所か調べてみよう。
いろいろな場所で貝の風鈴を吊るしたり、風車を持ってみて、風の通り方を調べる。
教室で、どのように窓を開けると、風が通りやすくなるか、実験してみよう。
暖かいスポットを探す
校内の暖かいと思う場所はどこか、予想してみる。
ペットボトルに水を入れて、予想した場所に置いておく。
1時間ごとに水温を測り、グラフにし、温まり度ランキングをつけてみる。
温まった場所には、どんな特徴があるか。時間ごとの特徴も調べる。
発電できるポイントを探す
風が通る場所を見つけ、風を利用して発電をしてみる。
陽あたりの良い場所を選んでソーラーパネルで発電してみる。
理科の授業と連動させてもよい。
STEP 3
エコな学校 計画図をつくろう
調べたことをまとめ、提案する。
STEP 4
エコ新聞をつくろう
自然を利用したエネルギーの良さを地域や家の人にも伝えてみよう。
●参考
文部科学省 エコスクールに関する情報▼
「エコスクール−環境を考慮した学校施設の整備推進(パンフレット)」に、エコスクールの具体例が紹介されています。
文部科学省 環境を考慮した学校施設の整備推進
ペットボトルを使った風力発電装置の例▼
作って学ぼう!風力発電
絵本
「風の島へようこそ くりかえし つかえる エネルギー」
<アラン・ドラモンド作 まつむらゆりこ訳 福音館書店>
絵本
「みどりの町をつくろう 災害をのりこえて 未来をめざす」
<アラン・ドラモンド作 まつむらゆりこ訳 福音館書店>