●学習のねらい
図画工作の時間で繰り広げられる造形活動は、想いを巡らし想像力をひろげ、活動から素材を理解することで、様々な問題解決の可能性を秘めています。
本題材から子どもたちは、自分の身体,感覚,想いを基に心地よい空間を自分で選んだ場所に設置する活動を展開します。ただし、好き勝手に場所や材料を選ぶことはできず、あえて様々な条件や制約を受けることになります。それらの条件や制約を解決することで、自分の感覚を基にした空間や場所に対して、好みに気づき、それを楽しむことで、将来、住環境への関心に少しでも向かえば、という期待から設定しました。
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●対象
小学校 3年生、4年生
●ポイント
今回の活動は図工室を飛び出して体育館での活動となります。
子どもたちは広い場所で、片面段ボールや板段ボール等の素材を使って、自分にとって居心地のよい空間作りに挑戦します。しかし、そこには実際に私たちが家を建てたり住まいを選んだりする場合と同じように、様々な条件や制約(下表1)を加えます.子どもたちはその条件や制約を理解した上で、自分にとっての優先順位(何を我慢して何を満たすか?)の選択や、まわりの友だちとの関係の持ち方などに直面します。こうした,実体験を子どもたちが好きな造形活動をとおして持たせることで、“自分にとって心地よい場所とは?”を考えるきっかけとし、高学年で学ぶ、家庭科での住教育につながると設定しました。
●材料
片面段ボール(1人分:巾120cm長さ5m)
板段ボール(1人分:910cm×910cmの大きさ4枚)
紙管(120cm)120本.テープ.カッター.カラーペン等
●学習の流れ
STEP 1 材料の特徴などを知る
○ 片面段ボールや板段ボールを使って自分の居場所をつくることを知る。
○ 段ボールを子どもたちに見せ,建て方や、曲げ方を考えさせる。
4年生は実際に5mに切られた片面段ボールの両側に直径45ミリの紙管を取り付けさせる。
3年生は切り込みの入った板段ボール4枚でイメージトレーニングをさせる。
STEP 2 条件と制約の理解
○ つくる場所(体育館)に様々な条件があることを確認する。
○ グループでも一人でつくってもよいことを知る。
○ 自分の空間を設置したい場所を選ぶ。
○ ビニールテープで場所を確保する。
STEP 3 自分にとって居心地のよい空間作りに挑戦
○ 空間をつくる。
○ それぞれ自分の空間に入り,心地よい状態を考える。
○ 道具を取りにドームへ行く。
○ 材料や道具を生かして心地よい空間を演出する。
○ 友だちの活動やつくったものを見たり、自分の空間に招待する。
○ 友だちと一緒に遊ぶ。