伝統的に日本の住居では板敷きや畳敷きの床に座る生活様式であったが、昭和30年代以降、日本住宅公団の住居が大量の供給され、ダイニングキッチン、子ども部屋に洋風の生活が取り入れられ、現代の子どもには「イス坐」の生活様式は定着している。
しかし、学校では小学校時代から身体の発達に合わない、平均値に基づいた勉強机とイスを使い勉強せざるを得ない状況を多くの生徒が経験してきている。身体を正常に発達させるためには身体にあった寸法のイスを使用しなければならない。
そこで「身体にあった」イスの重要性に気づかせる、つまり人間工学的な発想、人とモノとの関係を
寸法から知る学びを展開する。
<気づき・調べる>
- (1)
- 生徒の自宅にあるありとあらゆるイスの寸法測定を自宅学習でさせる。
- (2)
- 幼児期に使用したイスがあればそれも測定させる。
- (3)
- 学校のあらゆるイスの寸法を測定する。
- (4)
- 寸法の測定と同時にイスを構成している材料や材質を調べさせる。
木材、スチール、布、金物(留め金など)なども。
- (5)
- オプション:測定したイスの1つを図面化させる
<考える>
寸法測定だけでなく、幼児期に使用したイスと大人が使用するイスの大きさが、なぜ異なるのか、家
庭にある洋風便器を使用するとき家族の誰が使いづらいか、どうして使いづらいかなどを考えさ
せる。
<調べる>
家族の身体の大きさが異なるのに平均値で造られた便器やイスを用いていること、便器メーカーや
学校のイスのメーカーは何の寸法を根拠にして製造しているのかも調べる。