ペルラッハの長屋は、1978年にドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘン郊外に建設された、6戸からなる環境共生住宅です。建設当時は、旧西ドイツ各地で実験的に行われていたコーポラティブ+DIY住宅のモデルとして注目を集めました。
プロジェクトを先導したトゥート夫婦は、当時30代後半の若さで、建築家とコーディネーターと入居者の三役をこなしています。このプロジェクトで目指したのは、@住まいづくりへの住民参加、A徹底したローコスト化、Bエコロジカルな配慮という3点です。トォート夫妻はまず、ローコスト住宅を実現できるディティール集を作成しました。それをもとに居住者を募集し、躯体以外は入居者が自らの手で施工を行いました。
完成した住宅は、まちなみに調和する外観を旨とするドイツの集合住宅とは極めて異色とも言える多様性と個性あふれる外観となりました。
エコロジカルな配慮に関しては、主に熱環境をテーマとした対策がなされています。各住戸には、温水暖房と給湯用のガスボイラーが設置され、それを補う目的で巨大な南面の温室と屋根裏、および床下を利用した太陽エネルギーのパッシブ利用が図られています。
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