カッセルのエコロジー団地は、カッセル市の住宅土地政策として、若年世代の低所得、大人数の家族でも住宅建設の機会を提供しようという「ユンゲ・ファミリエ(若いファミリー)計画」と名づけられたプログラムにより計画されました。
建築家ヘッガ―夫婦、ミンケ教授のコーディネイトによる、コーポラティブ型エコロジー団地で、「環境と住まい」のプロデューサーである岩村教授も計画に参加し、自邸を建設しています。
「広く環境問題に視座を置いた、省エネルギー、健康、ローコストの住宅を団地規模で実現する。」という、住人たちが自ら定めた団地の基本方針に従い、高断熱化、エコマテリアルの採用、屋根緑化、樹木の保存、温室利用など様々な取組がなされています。築後10数年が経過した団地は、すっかり周囲の自然に溶け込んでいます。
団地についてもっと詳しく知りたい方は、「建築環境論」(鹿島出版会 岩村和夫著)をご覧下さい。
景観については、屋根に草をはやす、勾配を一定の範囲におさえる、外壁の仕上材に無垢の板材を使用すること以外、規定はありません。多様な形態を許容しながら、調和の取れた緑に豊かな団地の景観を形成しています。
団地内の集合駐車場も、屋根緑化を施すことで、周囲の自然環境と美しく調和しています。 |