世界の環境共生住宅 -08

ハインリヒ・ベル住宅団地

DATA

 
■立 地 ドイツ連邦共和国 ベルリン市
■竣 工 1999年
■規 模 5地区/630世帯
ハインリヒ・ベル住宅団地は、ドイツ・ベルリン市のパンコウ地区にある環境共生住宅です。1994年に、造園業者と公共集合住宅建設会社(GSW)が協力して計画し、ベルリンで初めての大型ソーラーパネルの屋根や雨水利用システムを新建築物に導入しました。この住宅団地は都心部からは少し離れていることを考慮して、バス停と連結することで住民の交通の利便を図っています。芝や木々など多くの緑に囲まれた、騒音なども少ない場所に建てられています。

住宅の屋根が大型のソーラーパネルになっています。この生産エネルギー量を示すために、住宅の中心に大きな看板を表示しています。
上に突き出ているパイプは、雨水利用システムの重要な管で、主としてトイレ等に利用効果がでています。全体で通常の集合住宅よりも50%の節水に成功しています。また、建物の壁面にあるパイプは、雨水がそのまま中庭の川へ流れるようになっており、キレイなビオトープを作っています。

車道はアスファルト舗装を施してありますが、駐車スペースや歩道には透水性の良いブロックを使用して、雨水が透水するようになっています。
駐車スペースやゴミ捨て場には、木製のパーゴラが設置されており、ツタなどが生い茂って屋根(庇)になっていく工夫がされています。

ウッドのベランダには、たくさんの植物が育てられています。また、壁面緑化へとつながる針金などが設置され、年々育っていく緑によって建物の印象も変わっていくしくみとなっています。

いくつかあるそれぞれの中庭には、子供が親の目の届く範囲で遊べるように広めのスペースが配慮されています。

各住居の室内天井や壁には、断熱効果の高い素材を使用して、空調や暖房の消費エネルギーを抑えています。エントランスと各住居へつながる階段部分は、全てガラスが導入されており、昼間は自然の光で十分な明るさです。また、エントランスの扉は全てロックがかかっていて、ベルを鳴らして住民がロック解除をした数秒だけ扉が開閉できるシステムなので、外部からオープンなアクセスですが、建物内への侵入者を防ぐ対策が万全です。

棟によって外壁の色が変えてあり、とても明るい雰囲気の集合住宅です。

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