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繁多川の家


 
住所:   沖縄県那覇市
種別:   戸建住宅
居住者:   夫婦,子供2人,妹
次世代基準の地域区分:   ?
設計者:   宮城鶴夫
施工者:   (有)丸健建設
施工年:   1998
敷地面積:   145m2
建設面積:   82m2
延床面積:   200m2
構造:   RC造(鉄筋コンクリート造)
階数:   3階
 
地域性を生かした点:
○土地の「記憶」を再生する
 このあたりは、「繁多川」の地名が示すようにもともとは水の豊富な地域であった。敷地北側の前面道路はかつての小川であり、南側の斜面には現在は枯れてしまっているが周辺の子供たちが良く遊んだという泉があった。そのため、かつての場所の記憶を呼び起こす仕掛けとして、雨水を利用したせせらぎや池を斜面緑地側とオープン化された道路側に設けている。
○雨水を利用したビオトープ
 既存の斜面緑地に加えて水草が浮かび生き物が生息する雨水利用の水辺(せせらぎ、池)を作ることにより、かつての環境に近い多用なビオトープを創造している。
○斜面緑地の活用と補完及び道路沿いの快適空間の創造
 建築計画においては、斜面緑地の良さを最大限に活かすため、緑地沿いにアプローチやバルコニーの中間領域を設け、また、各室内、屋上テラスからの眺めなど、自然な環境を享受出来る空間構成となっている。また、道路沿いは斜面緑地を補完する環境にするため、高木(花木、香木)による連続性のある緑化を図っており、オープン化された水辺空間と合わせてかつての場所生にも配慮した潤いのある快適な空間の創造に貢献している。
エコ技術について特に配慮・工夫したこと:
○雨水の有効利用(トイレの洗浄水、樹木の散水、せせらぎ、池)
 毎年のように渇水対策に悩まされている沖縄県の水事情と新たなダム開発による自然環境破壊の抑制を考え、自然環境への負担軽減を図るための新たな水資源となる雨水を地下タンク(10t)にため有効利用している。
○雨水の地下浸透
 建物の外回りは芝張り、砂利敷き等地下浸透型にして雨水の地下涵養に努めている。各戸で敷地内の保水力を高めていくことは洪水等の災害防止にもつながる。

住んでみて 良かった点・得したこと:

○自然を楽しむ
 雨水を有効利用しているので樹木の散水等も思う存分出来る。また、狭い敷地ではあるが隣接する斜面緑地をうまく利用し、あたかも自分の庭のような快適な環境になっている。屋上や狭いスペースを利用した庭には木や折々の草花を植え、涼しげな水の音が聞こえるせせらぎや池にも水草を植えたり小魚等を飼ったりして楽しんでいる。最近はとんぼや蝶等も飛んでくるようになり都心に住みながら自然を満喫している。
○コミュニティーの媒体としての空間
 敷地をオープン化した道路沿いにはびゃくらん(香木)の木陰と池があるため、道行く人たちや近所の子供達が良く休んだり遊んだりしている。庭の手入れなどをしているとこれまで挨拶を交わしたことがなかった通りがかりの人達が興味深そうに話し掛けてくることが多くなり、地域の人達とのコミュニケーションの機会が増えてきた。
 

斜面緑地と同化した憩いの屋上広場



斜面緑地と連続させた沿道に潤いを与える緑化(沿道は元の小川)



雨水利用したせせらぎの放水口



小動物が生息する道路沿いのビオトープ



室内から自然環境を享受出来る傾斜緑地


 
 
採用している要素技術

1) 暖かさを逃さない・暑さを入れない工夫
2) みんなに自慢できる素敵なまちにする工夫
★★★
3) 太陽エネルギーを積極的に活用する工夫
4) エネルギーを大事にして家を建てる工夫
5) 誰もが安全で暮らしやすい工夫
6) 生活ごみを減らす工夫
7) 自然素材の活用
★★
8) 水の使用量を減らす工夫
★★★
9) 環境配慮型建材等の活用
10) 効率の良い省エネルギー型設備機器の活用
11) 自然エネルギーを活かす工夫
★★
12) 緑を活かして室内を快適にする工夫
★★★
13) 大切に長く住むための工夫
14) シックハウス対策製品の活用
15) 室内の空気を清浄に保つ工夫
★★
16) 生き物や植物にとっても心地よいまちにする工夫
★★★
17) 心地よい庭つくる工夫
★★★
 
 

★:少しでもとりくんでいる ★★:積極的にとりくんでいる ★★★:主要なテーマとして、積極的にとりくんでいる

 
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