長期優良住宅には「建てる時」の条件と「建てたあと」の条件があります。まずは、家を建てる時“長期優良住宅として認定されるために必要な6つの性能”のポイントをご紹介しましょう。
 まずは、何世代にもわたって住み継げるように、構造や骨組みをしっかり作らなくてはなりません。
 さらに適切な維持管理をすることによって、世代を越えて住み継がれるレベルの耐久性能をもたせる必要があります。
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
【鉄筋コンクリート造】セメントに対する水の比率を低減するか、 鉄筋に対するコンクリートのかぶりを厚くすること。
【木造】床下及び小屋裏の点検口を設置すること。点検のため、床下空間の一定の高さを確保すること。
 日本は地震大国です。大規模な地震がきたときに、簡単に倒壊してしまっては、住み継いでいくことはできません。
 そこで、大規模な地震に対して、倒壊しにくい、またもしもの際も直しやすく、損傷が少なくて済む一定の耐震性が必要です。
極めてまれに発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減をはかること
【層間変形角による場合】大規模地震時の地上部分の各階の安全限界変形の当該階の高さに対する割合をそれぞれ1/100以下とすること。
【地震に対する耐力による場合】極めてまれに発生する地震の1.25倍の地震力に対して倒壊しないこと。
【免震建築物による場合】住宅品確法に定める免震建築物であること。
 耐用年数の比較的短い内装や設備は、メンテナンスやリフォームがしやすい家にしなければなりません。
 例えば、キッチンを入れかえたり、配管や空調をつけかえたりしやすい住まいにする必要があるわけです。
構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理 (清掃・点検・補修・更新) を容易に行うために必要な措置が講じられていること
・構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること。
・更新時の工事が軽減される措置が講じられていること。
 住み継いでいく上で、その時々の居住者のライフスタイルにあわせて、間取りなどが変更できるようになっていることが必要です。
 例えば、子供の成長に合わせて、部屋を増やしたり、独立したら、リビングを大きくしたりできるように、あらかじめ間取りを変更しやすい住まいを建てるのです。共同住宅においては必須項目のひとつです。
居住者のライフスタイルの変化等に応じて、間取りの変更が可能な措置が講じられていること共同住宅において将来の間取りの変更に応じて、配管、配線のために必要な躯体天井高を確保すること
 将来のバリアフリー改修に対応できるように、廊下などに必要なスペースをあらかじめ確保しておきましょう。つまり、年老いても暮らしやすい住まいにできる性能です。
 共同住宅においては必須項目のひとつです。戸建てにおいても、将来のことを考えて、このようなスペースをとっておくことはとても大切です。
共同住宅において、将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保されていること
共用廊下の幅員、共用階段の幅員・勾配等、エレベーターの開口幅等について必要なスペースを確保すること。
 地球にやさしく、またお財布にもやさしい省エネ性能は今やかかせない住まいのポイント。断熱性能など、一定の省エネルギー性能が確保されている必要があります。
必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること
省エネ法に規定する省エネルギー基準 (次世代省エネルギー基準) に相当するレベルを確保すること。